岩手・宮城:浸水地域、住宅再建44% 本紙調査

毎日新聞 2013年09月22日 08時11分(最終更新 09月22日 11時28分)

海抜5メートルまでかさ上げした際の宅地を実感してもらうため、閖上地区に設けられた「現地確認場」。周囲には雑草が生い茂る=宮城県名取市で、小川昌宏撮影
海抜5メートルまでかさ上げした際の宅地を実感してもらうため、閖上地区に設けられた「現地確認場」。周囲には雑草が生い茂る=宮城県名取市で、小川昌宏撮影

 東日本大震災の津波で住宅が被災した宮城・岩手両県26市町村の住宅再建計画で、浸水区域内で再建する住宅が約1万6500戸と44.3%を占め、半数に迫ることが毎日新聞の調査で分かった。国土交通省の地区単位調査では29.8%(昨年4月、178地区中53地区)で、より実態に近い戸数ベースでは移転より現地再建の動きの広がりがうかがえる。浸水区域外への移転は約2万800戸で55.7%。浸水区域の内外別で住宅再建戸数が明らかになるのは初めて。

 調査は9月、住宅再建(災害公営住宅を含む)のため宅地造成などを予定する自治体に実施。予定地が、浸水区域内(現地再建など)か区域外(高台移転など)かが分かった約3万7300戸を集計した。

 宮城県気仙沼市や岩手県釜石市など11市町村では区域内が区域外を上回った。両市は「高台移転の土地確保が困難」などと説明。一方、市町村別で最大の死者・行方不明者が出た宮城県石巻市は、住民の意向などから4331戸を区域外に移転させ、区域内は1587戸にとどめた。

 浸水区域に再び住むか否かは、防災との兼ね合いで厳しい判断を住民にも迫るだけに、住宅や街の再建を巡る住民の合意形成が一層重要だ。同県名取市の閖上地区は、浸水区域内の全戸現地再建を掲げた市と内陸移転を求める住民が対立。区域外への防災集団移転も一部併用する再建計画が8月にようやく固まった。【金森崇之、宮城裕也】

 【ことば】被災地の住宅再建

 主に防災集団移転促進事業(防集)と土地区画整理事業がある。防集は、高台などへの集団移転(5戸以上)を進める国土交通省の補助事業。自治体は土地を住民から買い上げ、住民は移転先で住宅を自費で建てるか復興住宅に入居する。区画整理は一定区域に道路や公園などの公共施設を整備し、安全で良好な住環境をつくる事業で、知事の認可が必要。土地は原則、区域内で交換してもらう。復興庁によると、今年6月末現在で岩手・宮城・福島の被災3県で、防集334地区すべてと区画整理51地区中32地区で宅地の整備時期が確定した。

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