【矢吹孝文】ドンキーコングもマリオブラザーズも、永久保存します――。国内で作られたすべてのテレビゲーム機やソフトを保存する計画が、立命館大(京都市)で進んでいる。世界的に有名な日本のゲーム文化を後世に伝える試みだ。
■推定2万8千点
題して、「ゲームアーカイブ」計画。映像学部の細井浩一教授が1994年ごろ、ゲームを研究対象にできないか調べるうち、発売元でさえ、機器やゲームソフトをきちんと保存していない実態を知った。
カセット、CD、ハードディスクなどソフトの記録媒体や、それを読み取る装置は、劣化や故障で早ければ10年で機能しなくなる。「このままでは過去のゲーム文化は消えてしまう」と危機感を持った。
1998年、ゲームを地場産業と位置づける京都府などと連携し、ゲームアーカイブ・プロジェクトを発足。国内で発売されたゲームの総数や概要の調査、保存の研究を始めた。
さっそく任天堂(京都市)が、「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」の全作品、約1700本を貸与。セガ(東京)も約400本を提供し、新作が出るたびに送ってくれた。