報道によると、現在、済州島では中国系不動産会社の百通キン源(キンは品の口部分が金)が漢拿山の中腹55万平方メートルをリゾート村やマンションとして開発中で、これまでに1万9000本の木が伐り倒された。
済州大学環境学科の教授は「漢拿山は済州島の『肺』であり、きれいな空気を人々に供給している。また、森林が雨を取り込み、地下水ができることで人々の飲み水となる。開発による環境破壊の影響は大きい」と指摘。また、リゾートホテルからの汚水が地下水を汚染することも考えられると語った。
環境保護論者を中心に、中国資本の開発を認めた済州当局への批判が高まっている。当局は「環境アセスメントを行っており、中国からの観光客が増えれば済州島経済が潤って働く場所も増える」と反論。ただ、中国人の多くは済州で不動産を買うことで投資移民として永住権を取得することが目的で、たまにしか済州を訪れず、経済効果は少ないとの指摘もある。
2〜3年前、済州島には中国人観光客が大挙して訪れ、地元の人々は歓迎した。しかし2010年から投資移民を受け入れるようになり、状況は次第に変化。中国人が5億ウォン(約4600万円)以上の不動産を済州島で購入し、5年間売却しなければ永久居民権が得られることになり、中国資本によるマンション建設が増えたという。
それでも中国人を取り込むために島のあちこちに中国語の文字が現れ、島固有の文化が次第に消えていっている。このままでは済州が誰の島か分からなくなり、中国人に乗っ取られる可能性もあるとして、韓国内では政府に対して投資移民受け入れ政策を再考するよう求める声が出てきた。
(編集翻訳 恩田有紀)