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アプガの現在地(仮)2013.6
〜ファンと一緒に楽しんだ第二章のスタート〜
まずはじめに、前回のインタビュー記事にさまざまな反響をいただきましたこと、御礼申し上げます。 さて、6月5日に初のトリプルA面シングル「銀河上々物語/Burn the fire!!/ナチュラルボーン・アイドル」をリリースしたアップアップガールズ(仮)(以下アプガ)。一連のリリースイベント、そして定期公演が9日に終わった中で感じたことを、前回「2013.5」の続編として、3つ(まさにトリプルA面 笑)に分けて記します。 @1stドキュメント・フォトブック「RUN! アプガ RUN!(仮)」 CDリリース直前の5月31日に発売されたこの本。「アプガ初の写真集が出る」と聞いて想像したのは、水着姿の彼女たちという、アイドルの写真集には当たり前の内容だった。しかし、本を開いてすぐにそれは全くの見当違いだったことに気づいた───だいたい「ドキュメント・フォトブック」なのにいつの間にか「写真集」と勝手に私の中で変換されていたこともおかしいのだが───。 本に載っていたのは、ツアードキュメントではあるが、なにより、等身大の彼女たちということだった。いや、等身大なんて言葉もいらない。彼女たち、だった。ページを開いて少し進んだところに出てきた、おそらく「チョッパー☆チョッパー」と思われる、足を開いて踊っているシーンは一瞬衝撃だったし、でも、笑顔で楽しそうに踊っているその写真こそが「これが彼女たち、だな」と気付き、つい笑った。 写真集というのは基本的にスタジオで、そして用意された、普段ライブ等ではあまり見られない衣装(水着含む)を着るというものであり、かつ、それは何らかの設定があったりするのだが(恋人と一緒に旅行している様子、とか)、その点でこのドキュメント・フォトブックは写真集の真逆だ、と思った。 そしてこの日常感、ライブ感、生き様、これこそが彼女たちだなと思った。前の「アプガの現在地(仮)2013.5」でも書いたが、腹をくくった、覚悟を決めた彼女たちというのが、このドキュメント・フォトブックでもよく表れていると思った。 そしてこの本は、なにより、今までの彼女たちを知らない私にはぴったりの本だった。私は現在の彼女たちしか知らない。過去どんないきさつがあって結成されたのかも、ウィキペディアは履歴だけを伝えるのみで、そこには彼女たちの思いまでは完全には伝わってこない。でも、この本に掲載されているメンバーへのソロインタビューで一気につながった。彼女たちの「過去のレール」と、私のインタビュー記事という「これからのレール」、その二つがドッキングした思いだった。 この本は写真集ではなくドキュメント・フォトブックであり、全国対バン行脚の全公演密着ドキュメントにとどまらずソロインタビュー、そしてスタッフの方のインタビューも収録された、パワーのいる本である。彼女たちはファンだけでなく伝える側まで全力にさせてしまう。それは私もだな、と思ったし、彼女たちに対して同じ思いを持っている人がいるというのはとてもうれしかった。 A「銀河上々物語/Burn the fire!!/ナチュラルボーン・アイドル」 6月5日に発売されたアプガ初のトリプルA面シングル。曲は取材の関係で既に聞いていたが、「銀河上々物語」については生でパフォーマンスを見るのは初めてだった。 「銀河上々物語」はより「演技」というか、歌の世界をいかに表現するか───メンバー個々で、そして7人で───ということに主眼が置かれている気がした。何より7人それぞれを見ていて楽しい曲だった。たとえば冒頭の離陸後気を失ってみんなが寝ているところで真っ先に起きてみんなを起こすのは森咲樹だし、仙石みなみが操縦するときにみんなが右に左に転がる(いわゆるダッチロール)ところなどは、本当にメンバーのキャラがよく表しているなと思った。 そして曲の最後には突然旗が出てきて、最後は月面着陸みたいな感じで終了…どこか、ミュージカルみたいだった。なるほど、第二章としては初のシングルだけれど、他の曲がこれまでも披露されていたのと違ってこの曲は第二章最初の曲。その点でも「第二章のアプガ」の方向性がとてもよくわかる曲だった。 そしてパフォーマンスについて感じたのは、彼女たちはなにより「表現力」をテーマにしているのだな、と。特に「Burn the fire!!」での彼女たちのパフォーマンスから何より感じたのは、単なる強さだけではなく「しなやかな強さ」だった。今までは全力だけでもよかったのかもしれない。でも、それだけでは上には進めない。さらにステップアップするために必要なこととして彼女たちは表現力、という新たなハードルを自分たちに課したのだろう。サッカーでいえば「美しく勝つ」ということか。それは強豪チームにはよくあることで、単に勝つだけでは当たり前でファンは満足しない。美しく勝つことこそ本当の意味でファンを「魅了」する。それと同じことだと思った。 つまりは「美しさ」を彼女たちは手に入れようとしているのだなと思った。そんな意味でも彼女たちのパフォーマンスは、少し上から俯瞰して見るとその美しさがよりわかるのだなと思った。実はこれはサッカーもそうで、上から見た方がフォーメーションなどもわかりやすかったりする。ということは、つまり、アプガのパフォーマンスも、フォーメーションを楽しめるようにもなっているということなのだ。 リリースイベントで彼女たちのステージを真横で見られる機会があったのだが、特に「UPPER ROCK」のフォーメーションチェンジ(車懸りの陣形?)の動きが本当に整っていて見事だった。このような組織美が楽しめるのもアプガの特徴であり、そしてなにより彼女たちの武器なのだと思った。 いや、なにより、このような組織美を見せたり「銀河上々物語」の寸劇でメンバーのキャラクターをよく捉えている振り付けを考える竹中先生、そしてCDに同封されていたマンガ「銀河小悪魔物語」での漫画家・ナカGさんのキャラクター設定ぶり…このように、メンバーをなにより愛しているスタッフがいることも武器、なのだ。 Bリリースイベント このシングルの発売イベントが6月4日のダイバーシティから8日まで5日連続で行われ、私も何回か見に行った。その全てでいろんなことがあって笑いの連続だったのだが、ライブでの彼女たちに会うのは1ヶ月半ぶりで、同時に彼女たちをフリーライブで見るのが今回初めてだった。私はいろんなアーティストをフリーライブでたくさん見ているが、フリーライブという土俵での彼女たちを見る、という楽しさがあったし、同時に他のアーティストとの比較という新しい物差しが私に用意された。 一連のイベントを通して感じたのは、今までより一層、見ている人たちを引き込もうとしている姿勢だった。「チョッパー☆チョッパー」のコール&レスポンスのところでは「みんなで!」とか「ラスト!」と呼びかけていたのが印象的だった(今までもやっていたかもしれないのだが)。フリーライブはアイドルどころから音楽にすら興味のない一般の人もいるわけで、その人たちをいかに引き込めるかが勝負になる。その点では彼女たちは少しでも周りを巻き込もうという姿勢が感じられた。 一方で、「今のアプガ」を象徴する部分もあった。フリーライブとしては、観客数という点ではまだまだだった。これに関しては、一回のみではなく5日連続で都内でリリースイベントをやっているので、お客さんが分散したという事情もあるかもしれない(もちろん全部見に来た方もいただろうけど)。ただ、それは現実だった。まだまだ彼女たちの現実はこうなのだ。でも、それだけまだ彼女たちは伸びしろ、そして上に行ける、ということであり、明確な課題が浮かび上がったとも言える。 「今のアプガ」ということではこのことを記しておきたい。 4日のダイバーシティでのことである。会場のフェスティバル広場は、等身大ガンダムと隣接している。そして、一日に何回か、ガンダムのショーが始まる。要はフリーライブをいわば“邪魔する”存在なのだが、アーティスト、そしてファンはそれに対してどう対応するか、ということを私は結構重視している。3月に見た超特急&DISH//のフリーライブでは、開演直前に行われていたそのショーが終わるとファンの女の子たちがみんな「おおーっ」と感動して拍手していたのが印象的だった。つまり「そんなショーより早くライブ見たいよ〜」ではなく、そのショーまで楽しんでしまう。そんなファンの余裕というか、やさしさが感じられた一幕だった。 この日のアプガのイベントでは… 「アッパーカット!」が歌い終わったと同時に偶然始まったガンダムのショーに(ショーはイベントの進行とは関係なく決められた時間に始まる)、「それではガンダムをお楽しみください!」と森咲樹がコメントした後、メンバーもそのままステージに座って、ファンと一緒にショーを楽しんだ。 私はその光景がなにより心に残った。だって、彼女たちとファンが、同じものを見ているのだ。彼女たちも、ファンも、みんな座って、彼女たちはファンに背中を見せて、同じショーを見ている。みんなで同じ方向を向いている。ああ、これがアプガの現在地なのだと思った。つまり、みんなと一緒なのだ。みんな同じ方向を向いているのだ。みんなと近いのだ。 しかも映像の途中で「きっか」(ガンダムの登場人物)という言葉が登場すると彼女たちもファンも大笑い(ハロプロエッグ時代に、アプガのメンバーとも一緒に活動したこともある吉川友の愛称)。しかもしかも、ガンダムの出発シーンの最初に「進路クリア!」という、まさにこの後歌う「銀河上々物語」のオープニングと同じセリフが出てきて、彼女たちもびっくりしていた。思えばイベントでも、二度行われたガンダムのショーは見事に、曲の途中ではなく終了後に始まっていた。ああ、彼女たち、持ってるな。 そしてショーが終わって「銀河上々物語」を歌う前に彼女たちはこう言った。 「アプガ行きます!」 ガンダムに引っかけてこんなことがさらっと言えちゃうのもアプガだなと思った。 最後に。 これはみなさんはどう捉えられるのかがわからない一言なのだが… あのドキュメント・フォトブックを読んで、「私もアプガみたいになりたい!」と言ってハロプロの門をくぐる子が絶対出てくるはずだ。彼女たちはだんだんそういう存在になってきていると思うのだ。
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アップアップガールズ(仮) |
左から新井愛瞳、森咲樹、佐藤綾乃、仙石みなみ、関根梓、佐保明梨、古川小夏 |
アップアップガールズ(仮)は、ハロプロエッグの研修課程を修了したアップフロントプロモーション所属の7人組アイドル・グループ。4月13日には彼女たちのこれまでの活動の集大成となる横浜BLITZのワンマンライブを終え、いよいよ次のステージへ突入ともいえる本作のリリースとなります。 今回発売されるシングルは、トリプルA面。銀河上々物語は、今年の4月までの1年間でシングル11枚、アルバム1枚をリリースし、怒涛の如く駆け抜けてきたアップアップガールズ(仮)が、次の舞台へ向かっていく決意・心情をテーマにした楽曲です。Burn the fire!!は全力で戦う彼女たちを重ね合わせたような応援歌、ナチュラルボーン・アイドルは、関根梓がメインボーカルを務めるキュートな曲調と歌詞の楽曲。Burn the fire!!とナチュラルボーン・アイドルは単独公演で披露し好評を博している楽曲で、CD化を待ち望むファンの声に応えてリリースとなりました。 まだまだ挑戦を止めないアップアップガールズ(仮)の成長は見逃せません。 ついに誕生!アップアップガールズ(仮)公式サイト http://www.upupgirlskakkokari.com/ アップアップガールズ(仮)ロングインタビュー「アプガの現在地(仮)」2013.5編 http://music.biglobe.ne.jp/special/uugirl/201305.html |
■リリース情報
アップアップガールズ(仮) トリプルA面シングル 『銀河上々物語 / Burn the fire!! / ナチュラルボーン・アイドル』 発売日: 2013年6月5日(水) 品番: TPRCー0046 価格: \1000(税込) 収録曲 1. 銀河上々物語 作詞 :NOBE・作曲・編曲 michitomo 2. Burn the fire!! 作詞 :NOBE・作曲・編曲 michitomo 3. ナチュラルボーン・アイドル 作詞 :NOBE・作曲・編曲 michitomo 4. 銀河上々物語 (inst) 5. Burn the fire!! (inst) 6. ナチュラルボーン・アイドル(inst) |
初の全国対バン・ツアーの模様を収めたドキュメント写真集。佐保ちゃんのチョップでも割れないくらいの!?フルボリュームでついに登場!
「アップアップガールズ(仮)1stドキュメントフォトブックRUN! アプガ RUN!(仮)」 発売日: 2013年5月31日(金) 価格: \2310(税込) 炎の対バン行脚!そして運命の横浜大決戦!アプガの明日はどっちだ! ハイクオリティな楽曲と攻めて攻めて攻めまくる熱いライヴ・パフォーマンスで、日本テレビ『スッキリ!!』でも''次クるアイドル''として紹介されるなど注目を集めているアップアップガールズ(仮)。本書は彼女たちの今後を占 う上で、間違いなくターニングポイントになるであろう初の全国対バンツアーの模様を収めたドキュメント写真集。 初日の新潟から千秋楽の東京、そして3度目 のワンマンとなる横浜BLITZ公演まで完全密着。撮影は氣志團、ハナレグミ、THA BLUE HERB、土岐麻子といったアーティストの写真を手掛けるフォトグラファーSUSIE。Negicco(新潟)、Dorothy Little Happy(仙台)、ひめキュンフルーツ缶(松山)、フルーティー(札幌)、LinQ(福岡)、BiS(東京)──並み居る強豪との戦いを通じて彼女たち が掴み取ったものは!? そして結成当初からの目標であった運命の横浜BLITZワンマンで彼女たちを待ち受けていたものとは!? |
1stフォトブック(仮) RUN!アプガ RUN!(仮)発売 ミニライブ&握手会 7/5(金)19時〜 タワーレコード新宿 アップアップガールズ(仮)1stライブハウスツアー アプガ第二章(仮)開戦前夜 2013年8月13日(火)18:30開場/19:00開演 会場:CLUB JUNK BOX NAGANO(長野) 2013年8月14日(水)18:30開場/19:00開演 会場:高崎club FLEEZ(群馬) 2013年8月15日(木)18:30開場/19:00開演 会場:Heaven's Rock Kumagaya VJ-1(埼玉・熊谷) 2013年8月16日(金)18:30開場/19:00開演 会場:Heaven's Rock Utsunomiya VJ-2 (宇都宮) 2013年8月20日(火)18:30開場/19:00開演 会場:豊橋club KNOT(愛知) 2013年8月22日(木)18:30開場/19:00開演 会場:神戸ウィンターランド 2013年8月23日(金)18:00開場/18:30開演 会場:KYOTO MUSE(京都) アップアップガールズ(仮)1stライブハウスツアーアプガ第二章(仮)開戦 8/31(土) 〜横浜リベンジ決戦〜 会場:横浜BLITZ 9/7(土) 〜大阪決戦〜 会場:umeda AKASO 9/8(日) 〜名古屋決戦〜 会場:名古屋クラブクアトロ その他イベント出演スケジュール 6/22(土) YATSUI FESTIVAL! 2013 6/23(日) @JAM2013アイドルDay Zepp Diver City ※ダイバーシティ東京フェスティバ ル広場(入場無料)にて行われる「@JAM 2013 "Next Stage LIVE"」にも出演 7/27〜28(土・日) TOKYO IDOL FESTIVAL 2013(お台場・青海特設会場)※タイムテーブルは現時点で未発表 8/10(土) IDOL NATION 2013 国立代々木競技場第一体育館 8/17(土) 〜プロレスの進歩と調和〜 両国国技館 8/25(日) ジモドル フェスタ2013 SUMMER SHIBUYA-AX |
アップアップガールズ(仮)メンバー紹介 @メンバーカラー A愛称 B生年月日 C出身地 D子供の頃に憧れていたアイドル(敬称略) |
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仙石みなみ |
古川小夏 |
森咲樹 |
関根梓 |
@赤 A1991年4月30日 B宮城県 Cモーニング娘。の石川梨華 |
@ピンク A1992年6月5日 B神奈川県 Cモーニング娘。の後藤真希、安倍なつみ、高橋愛 |
@Green A1993年10月12日 B神奈川県 Cモーニング娘。の安倍なつみ |
@オレンジ A1996年6月14日 B長野県 Cモーニング娘。の新垣里沙 |
新井愛瞳 |
佐藤綾乃 |
佐保明梨 |
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@青 A1997年11月19日 B群馬県 Cミニモニ |
@紫 A1995年1月7日 B神奈川県 Cモーニング娘。の高橋愛 |
@黄色 A1995年6月8日 B東京都 C松浦亜弥 |
■アップアップガールズ(仮)のニュース記事一覧
文/有本和貴(BIGLOBE MUSIC編集長)
撮影/大井恵介(嫁コレアイドルプロデューサー)