名古屋グランパスはFC東京に0−2で完敗し2連敗。ホームでは5月以来の敗戦で、勝ち点36、10位は変わらなかった。首位の横浜Mは清水を1−0で退け、勝ち点を51に伸ばした。広島は新潟に2−0で快勝し、連敗を3で止めた。勝ち点47として浦和を得失点差で上回り、2位に浮上。浦和は甲府と1−1で引き分け、3位に後退した。4位の鹿島は磐田に勝ち、勝ち点44とした。磐田は降格圏の17位。最下位の大分は湘南に敗れ、早ければ次節にもJ2降格が決まる。
◆名古屋0−2FC東京
あまりにもお寒い敗戦だ。チャンスすら満足につくれず無抵抗で敗れ去ったグランパスに、容赦ないブーイングの雨が降り注ぐ。Jリーグで無得点に終わるのは5月6日の仙台戦以来、実に16試合ぶり。主将のGK楢崎は努めて淡々と口を開いた。「苦しいシーズンを象徴するような試合になってしまった」
集中力を欠いたような失点でリズムが狂った。前半38分、ペナルティーエリアやや外側でボールを持ったFC東京のMF長谷川に対し、なぜか守備陣の足が止まる。楢崎は「向こうにはシュートを打つ前に顔を上げてボクを見る余裕があった。もっとプレッシャーが必要だった」と振り返る。
コースへ狙い澄ましたミドルを打たれては、さしもの守護神でも止められない。「緩い部分を感じた。引き締めるのがボクの仕事ではあるんですが…」。楢崎は心のスキがあったと認めた。
もはや優勝は事実上不可能。一方で降格争いも脱している。中ぶらりんの状態が「緩さ」を生んでいるのか。反撃はFWケネディらの個人技頼みに終始。途中出場したFW永井、FW矢野、MF磯村も流れを変えられず、主力と控えの差の大きさがまたしても顕在化してしまった。
公式戦では9月8日の天皇杯初戦のJFL・長野戦で金星を献上してから3連敗。楢崎は「思い切りのいいプレー、チャレンジが減っている。前向きに乗り越えないといけない」と言い聞かせるように語った。残り8試合。万年中位だった昔に戻るのか、常勝軍団の誇りを取り戻すのか。今が分岐点だ。 (木村尚公)
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