【楽天】マー、開幕２２連勝でＭ６「早く決めましょう」

ヒーローインタビューの後、大観衆の声援に応えた田中

　◆日本ハム３─７楽天（２１日・札幌ドーム）　楽天・田中が、日本ハム戦で８回４安打１失点で開幕からの連勝を２２に伸ばした。昨年８月２６日からは２６連勝で、ともに自身が持つプロ野球記録を更新した。０８年に岩隈（現マリナーズ）がマークしたシーズン２１勝の球団記録も塗り替えた。シーズン２２勝は、１９８０年の木田勇（日本ハム）以来、３３年ぶり。チームの優勝マジックは「６」となった。

３回２死満塁、アブレイユの打球に飛びつく田中

　勝っても、田中の喜びは半減していた。３回は２四球と１安打で２死満塁のピンチを招くと、陽岱鋼の高く弾んだ打球が適時内野安打となり先制を許した。これが満塁の場面では実に今季１４打数目で初の被安打だった。「調子は良くなかった。はじめからこうなることも予想していた」と、もどかしさを募らせた。

　それでも、乱れたのはこの回だけだ。「走者を置いての長打など、やってはいけないことを考えて球種を選択した。今日は力まず投げられた」と落ち着いて試合を組み立てた。味方が逆転した４回以降に許した走者はわずか２人。１０４球で１５０キロを超えたのは６球ながら、８回まで投げた。

　日本ハムにはミスが続出したこともあり、田中は無傷で２２勝目を挙げた。８０年の日本ハム・木田以来、３３年ぶりの快挙だった。「時代が違うから分からない」と本人は素っ気ないが、５年間、指導を仰いできた佐藤投手コーチが阪急時代の８５年にマークした勝ち星も上回り、０８年の岩隈を抜く球団新記録も樹立。昨季からの連勝は「２６」に伸びた。

　連勝を続ける中で「大きかった」と振り返るのが、７月２６日のロッテ戦（Ｋスタ）だ。１点リードを許したまま９回を迎えたが、逆転サヨナラで勝利投手となった。「勝ち星がつく確率は自分で上げられるけど、コントロールはできない」。野手の後押しも受け、ここまで勝ち続けてきた。

　優勝マジックは１つ減って「６」。最短Ｖは２４日の西武戦（西武Ｄ）だ。田中は次戦、２７日のロッテ戦（ＱＶＣ）か２９日のソフトバンク戦（ヤフオクＤ）の登板が濃厚。胴上げ投手になる可能性も残っているが「早く決めましょうよ。一日でも早くね」。歓喜の瞬間が待ち遠しそうだった。