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「刑事コロンボ」石田太郎さん急死、ドラマ収録中プールで意識失う

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刑事コロンボのパネルの前で同じポーズを取る石田太郎さん

 米ドラマ「新・刑事コロンボ」の主人公コロンボ役のピーター・フォークの吹き替え声優で知られ、俳優としても数々の作品に出演した石田太郎さんが21日、急死した。69歳だった。死因は不明で、検視中という。石田さんはこの日、神奈川県内でフジテレビ系ドラマ「独身貴族」(10月10日スタート、木曜・後10時)のロケに参加。プールの中で意識を失い、そのまま帰らぬ人となった。

 「うちのカミさんがね…」のおなじみのセリフで知られる刑事コロンボの声を務め、俳優としても脇役ながら多くの作品で確かな存在感を示してきた石田さんが、あまりにも突然に、この世を去った。

 フジテレビの関係者によると、石田さんはこの日、神奈川県内の屋外プールで行われた撮影に参加。午後1時頃に水着姿でプールに入っていたが、カットがかかった後に水から出ようとした際、意識を失った。その様子を見た周囲の人が、石田さんを引き上げ、同県内の病院に救急搬送。懸命な治療が施されたが、死亡が確認されたという。病院では検視を行い、死因などを調べている。

 「独身貴族」は、主演をSMAPの草ナギ剛(39)が務め、映画製作会社の社長を演じるラブコメディーで、第1話のゲストだった石田さんは、脚本家役。プールで泳ぎながら新作の構想を練っているところに、草ナギが脚本を受け取るために押しかけるシーンの撮影が行われていた。草ナギも、石田さんが意識を失った時には撮影に立ち会っており、訃報にショックを受けているという。21、22日の撮影は中止。ストーリーの変更などは未定という。

 石田さんは上智大在学時から演劇をはじめ、中退後に本格的に芸能活動をスタート。劇団雲、昴(すばる)を経て、82年に退団した。その後は、テレビドラマに活躍の場を移し、「山河燃ゆ」(84年)、「独眼竜政宗」(87年)などのNHK大河ドラマをはじめ、時代劇からトレンディードラマまで、幅広いジャンルの作品で活躍した。

 米俳優ピーター・フォーク(2011年死去、享年83歳)が演じた刑事コロンボの声を担当。劇団の先輩でもあった小池朝雄さんが85年に亡くなった後に、声優としても活動していた小池さんの後を継ぎ、続編の「新・刑事コロンボ」から務めた。「ただ映像に声を乗せるのではなく、自分も苦心して演技させていただき、大変刺激を受け、大きな財産となりました」と、役者として声優経験がプラスになったと話していた。ほかにも、アンソニー・ホプキンスやジーン・ハックマンの吹き替えを務め、根強い人気を誇っていた。

 ◆石田 太郎(いしだ・たろう)1944年3月16日、京都府生まれ。上智大中退。学生時代から演劇を始め、劇団雲(後に昴)に入団。82年に退団後は、ドラマ、映画に多数出演。主な出演作にNHK連続テレビ小説「おしん」(84年)、大河ドラマ「独眼竜政宗」(87年)、映画「マルサの女2」(88年)、「おくりびと」(08年)など。ショーン・コネリー、アンソニー・ホプキンス、「刑事コロンボ」シリーズのピーター・フォークらの吹き替えを担当し、声優としても活躍。石川県金沢市にある乗敬寺の住職も務めた。

[2013/9/22-06:04 スポーツ報知]

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