若手起用問題に悩むDeNA・中畑清監督

　ＤｅＮＡが頭を抱え込んでいる。２０日現在の順位は残り１２試合で最下位・ヤクルトに４ゲーム差をつけての５位。決して手放しで喜べる成績ではないが、それでも実に６年ぶりとなる最下位脱出だけはなんとか見えてきた。しかし友利投手コーチは渋い表情を浮かべながら、ここにきて想定外の難題が浮上してきたことを打ち明けた。

「シーズン終盤は普通“顔見せ昇格”があるんだけど、今年は順位争いをしているからそんなに多くを呼べない」

　３位・広島には７ゲーム差と完全に引き離されており、ＣＳ出場のラインとなるＡクラス入りはもはや絶望的だ。そう考えれば、来季を見据えた戦力起用を検討し始めてもいいような気はする。だが４位・中日には１・５ゲーム差で接近していることから、チームは１つでも上を目指そうと消化試合返上で最後の最後まで全力を尽くす方針を固めているという。

　二軍には２０１１年ドラフト１位の北方悠誠（１９）、真下貴之（２２）、伊藤拓郎（２０）、冨田康祐（２５）ら将来のローテ候補たちがいる。投手力が課題のＤｅＮＡにとって、本来ならば消化試合での実戦起用を試したいところだが「捨てる試合はないし、去年ほどは機会を与えられない」（同投手コーチ）。

　４位止まりならば、結局は昨季と同じＢクラス。他チームから見れば次元の低い話だが、最下位が定位置だったＤｅＮＡにとって少しでも上位を目指そうとする気持ちは自然の成り行きなのかもしれない。とはいえ、目先よりも将来のことを考えなければならないという悩みもある。首脳陣は最終戦まで難しいかじ取りを強いられそうだ。