風水を利用して日本を制圧せよ

 逆に韓国が他国の風水を制圧したケースも幾つかある。智異山のふもとに実相寺という寺がある。この寺には「日本が栄えれば実相寺が滅び、日本が滅びれば実相寺が栄える」という言葉が伝えられている。日本に流れる地の気を遮断するため、この地に寺を建てたという逸話もあり、鐘に刻まれた日本地図を連想させる模様を打つたびに、日本の富士山が1発殴られるそうだ。寺の敷地には秘宝や鎮圧寺院としての痕跡も残っているが、世俗の「成功した寺」などとは大きく違う。信徒や観光客が多いわけでもない。筆者が現地を訪れたのは8月31日だが、この日は土曜日にもかかわらず人影はほとんどなかった。

 また日本を鎮圧するための風水の現場も残っている。ソウル市中心部南山のふもとにある崇義女子大学の校庭に安重根(アン・ジュングン)の銅像が設置されている。この銅像は1959年に建立されたもので、67年と73年に一時別の場所に移されたが、2010年に本来あったこの場所に戻ってきた。かつてこの地は日本統治時代、朝鮮総督府の支援の下で日本人向けに神を祭っていた京城神社があった場所だ。今も大学の本館には京城神社の昔の写真が刻まれた石碑があり、歴史の現場であることを忘れないようにしている。京城神社の痕跡を考証し、安重根の銅像を本来の場所に移した大学の配慮をうかがい知ることができる。

 安重根の銅像が立つ場所から真っすぐ進んだ先にはかつて日本の統監府(現在はソウル・アニメーションセンター)があった。これはいうまでもなく1906年に伊藤博文が初代統監となった場所だ。それから3年後の1909年10月26日、伊藤は安重根によって中国のハルビンで射殺された。伊藤博文が日本人にとっての英雄ならば、安重根はわれわれにとっての英雄だ。鎮圧風水が効果を発揮するには、われわれにも具体的な行動や発言などが必要だ。例えば安重根が伊藤を射殺した10月26日を記念し、大統領や閣僚がこの地にある安重根の銅像を参拝するのはどうだろう。日本の首相はどのような気分になるだろうか。

キム・ドゥギュ教授=又石大学教養学部
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