まちある調査団
【湊川公園に“黄金のハト“が飛来。その原因を調査せよ!】
背中と羽の先端が黄金、首筋がピンク色…。グレーが基調の地味な群れの中で、ひときわ目立つ奇妙なハトが神戸市兵庫区の湊川公園に飛来している。鳥類の専門家は「人為的には見えないが、金色のハトは見たことがない」と首を傾げる。なぜ「黄金のハト」になったのか。調べてみた。
そのハトを見つけたのは7月上旬。数十羽の群れに溶け込み、木陰で休んだり、仲間で追いかけっこをしたりしていた。頭やしっぽ、羽の大半は通常のドバトのグレーだが、首筋と羽の先に鮮やかなピンクと黄金色が交じる。羽を広げて飛ぶ姿は熱帯のインコのようだ。
毎朝、同公園でハトにえさをやっている男性によると、黄金のハトが時々、飛来するようになったのは6月ごろだという。
「出合うと、なんかええことがあるような気になる。珍しがって携帯カメラで撮影する人もおるで」
人と自然の博物館(三田市)で鳥類を研究する布野隆之研究員(動物生態学)に画像を見てもらった。「自然な発色で、いたずらには見えない」。目の周囲の特徴からアルビノ(先天性のメラニン欠乏)ではないという。ドバトの色素は濃いグレー、白、茶色で構成され、交配でさまざまな柄や色になるが「どう掛け合わせても黄金色やピンクにはならない」。黄やピンクの色素を持つインコやオウムとの交配も「種が違うからあり得ない」と言う。
それならば…。日本で唯一、鳥類を専門に研究する公益財団法人「山階鳥類研究所」(千葉県)に尋ねてみた。平岡考専門員は「自然発色でそんな色は聞いたことがない。レース鳩か、研究用の着色ではないか」との回答。
日本鳩レース協会(東京都)にも聞いてみた。「レース鳩を着色することはない。第一、飼い主のいる迷いバトなら足輪をしている」。
黄金のハトに足輪はない。手を尽くしたが、結局、鳥類の専門家らから「黄金」の謎を解明する答えを導き出すことはできなかった。
7月以降、2回、そのハトを公園で見かけた。そのたび、何か得をしたような気分になるが、今のところ幸運は訪れていない。(木村信行)
2013/8/31- 急速に普及が進む再生可能エネルギーの現場を歩く。(エネルギー考 脱原発依存 電力の未来)
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