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リニア発着駅 なぜ「東京」じゃなくて「品川」なのか

【生活】

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2013年9月20日 掲載
東京の表玄関がふたつに/(C)日刊ゲンダイ
「あれっ? 東京駅じゃないの」――。

 リニア中央新幹線の新駅発表に、多くの人が疑問を感じたはずだ。東京の発着駅は東海道新幹線「品川駅」直下の地下約40メートルに建設される。1964年の新幹線開業以来、不動の発着駅である東京駅がルートを外れたのだ。

 リニアを建設するJR東海は「東京駅は地下空間の利用が進み、新駅のスペース確保が困難」(広報部)と理由を説明するが、ある鉄道関係者は「理由はそれだけでしょうか」とこう言う。

「もともとは同じ国鉄だったとはいえ、JR各社の関係は必ずしも良好とはいえません。特に東海と東日本のライバル関係は鉄道マニアの間では、知られた話。発端も実は新幹線が関係しているようです」

 87年の分割民営化の際、JR東海が品川の国鉄車両基地を東海道新幹線の車両基地にして欲しいと申し出たところ、JR東日本が基地は自分たちの固有財産だと主張。仕方なく東海側は基地の隅っこを間借りして新幹線の点検を行うことになった。以来、両社の関係はギクシャクしているという。

「その後、JR東日本が東北・東海道両新幹線の相互乗り入れを打診すると、今度は東海側が断ったという逸話もあります。首都圏の路線を管轄するJR東日本にとって、東京駅こそ『日本の表玄関』。すべての長距離列車を東京駅に集約する伝統がある。ライバルのJR東海にすれば、リニア建設を機に品川駅を『新たな表玄関』にしようという野望が見え隠れします」(鉄道関係者)

<見え隠れするJR東海の思惑>

 鉄道行政に詳しい明大専門職大学院の市川宏雄院長も「JR東日本がリニアを建設していれば、どんなに難工事でも東京駅まで延伸したでしょう」とこう言った。

「確かに東京駅でリニアに乗れないのは不便にも感じます。ただ、来年度には『東北縦貫線』が開通する予定で、宇都宮線・高崎線・常磐線から東海道線の東京・品川方面への直通運転が可能になる。埼玉、千葉や北関東からも乗り換えナシで品川駅に出られるわけだし、『表玄関』が2つになる方が選択肢が増えて、利用者へのメリットは大きいと思います」

 リニアの開業予定は14年後。果てしない未来を心配しても仕方ないか。
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