徳洲会事件:「この地区、重点的に」徳田氏親子が直接指揮
毎日新聞 2013年09月21日 07時39分(最終更新 09月21日 09時58分)
昨年12月の衆院選を巡る医療法人「徳洲会」グループの公職選挙法違反容疑事件で、同会理事長の徳田虎雄元衆院議員(75)や次男の徳田毅(たけし)衆院議員(42)が、「回り方が足りない」などと運動員らを直接指揮していたことが、関係者への取材で分かった。徳洲会グループは徳田議員の選挙区(鹿児島2区)に派遣した病院職員に報酬を支払っていた疑いが持たれており、東京地検特捜部は「徳田ファミリー」の関与の有無を調べる方針。
関係者によると、鹿児島市などに設けられた選挙事務所では朝と夜に会議が開かれ、徳田議員や親族らの前で職員らの活動状況が報告された。全身の運動神経が衰える筋萎縮性側索硬化症(ALS)のため神奈川県内の病院に入院中の虎雄氏もテレビモニターで会議に参加していた。
虎雄氏は言葉を発することができないが、文字盤を目で追って意思を伝達し、病室の秘書が「前回の衆院選より票数を増やせ」などと指示を読み上げた。会議に幹部の姿が見えないと不満を示したりすることもあった。徳田議員本人も「この地区を重点的に」などと具体的な指示を出していたという。【近松仁太郎、山下俊輔、吉住遊】