新潟県は２０日、昨年３月の東京電力柏崎刈羽原発全７基停止後の、地元企業の経済状況の調査結果を公表した。調査の結果、特に個人事業者で売上高の減少が目立った。県は「原発停止が一定程度影響していると思われる」としてさらに追加の聞き取り調査などを行う方針を示した。

　調査対象は柏崎市と刈羽村の６８６法人と個人事業者７９５業者。昨年１２月から今年３月にあった決算の売上高を比較したところ、法人では対前期比で０・６ポイント増で全県平均の１・３ポイント増よりも回復の遅れが目立った。また個人事業者は５・２ポイント減で、全県平均の０・８ポイント減よりも下げ幅が大きかった。

　同原発は、東電の「トラブル隠し」で２００３年３月、中越沖地震の影響で０７年７月にも全基停止しているが、県が地元経済への停止の影響を調査したのは初めて。泉田裕彦知事は２０日の会見で、調査について「特に東日本大震災以後、停止の影響が大きくなっているため」と説明した。

　県は、さらに個別の実態把握が必要として、事業者らから事例報告を受け付ける。問い合わせは県産業政策課（０２５・２８０・５２３１）まで。【塚本恒】