福島汚染水:タンクのボルトに緩み 漏れの原因か
毎日新聞 2013年09月20日 21時53分(最終更新 09月20日 22時53分)
東京電力福島第1原発の地上タンクから高濃度の放射性物質を含む汚染水が漏れた問題で、東電は20日、このタンク内側の底板の継ぎ目でボルト5本に緩みが見つかったと発表した。東電は「断定できる段階ではないが、漏れの原因の可能性が高い」としている。
東電は原因調査のため、問題のタンクの解体を進めている。側板を撤去し、底板を残したまま20日に作業員がタンク内部に入り確認した。緩みが見つかった5本のボルトはタンク東側に集中していた。また、止水材が膨らんで変形している箇所も複数見つかった。
問題のタンクの下2カ所を2メートルずつ掘り、放射線量も測定した。その結果、タンク東側の深さ約30センチで毎時約1.7ミリシーベルトを検出したが、1メートル付近で減衰して検出できなくなった。西側の穴からは検出されなかった。
タンクは海から西へ約500メートル離れた「H4」エリアにあり、鋼板をボルトでつなぎ合わせた組み立て式(高さ11メートル、直径12メートル、使用容量1000トン)。8月に汚染水約300トンが漏れたことが判明し、国際評価尺度で「レベル3(重大な異常事象)」と評価された。【八田浩輔】