北九州都市高速:料金所員 当直中に飲酒
毎日新聞 2013年09月19日 07時10分(最終更新 09月19日 08時44分)
◇車で定期巡回も
北九州都市高速道路の料金所運営を委託されている民間業者の従業員4人が今年7月、夜間当直勤務中に料金所を統括する事務所内で飲酒していたことが分かった。飲酒後、車で都市高速の料金所などを回る定期巡回をしていた。委託元の福岡北九州高速道路公社(福岡市東区)は事実を公表していなかった。
公社や関係者によると、この業者は、福岡市博多区に本社のある「名古屋ハイウエイ」。紫川料金事務所(北九州市小倉北区)で7月8日夜、当直の60代の従業員3人と料金窓口担当者1人が従業員1人の誕生日祝い名目で焼酎を飲んだ。午後6時ごろから飲み始め、長い人で午後9時過ぎまで飲んでいた。4人のうち、1人は当初は酒を拒み、車で夜間の定期巡回をするなどしていた。その後断りきれず、酒を口にしたという。翌9日未明にも1人が巡回に出ていた。この従業員は「1合程度飲み仮眠した」と話しているという。飲酒翌日に1人が報告して発覚した。
同社は北九州市を東西に横断する4〜5号線の料金所の大半を担当。紫川料金事務所が各料金所を統括し、料金の回収や、料金窓口担当者の体調不良など緊急時に対応するため夕方から翌朝まで夜間当直をしている。
勤務中の飲酒は社内規則に違反しており、名古屋ハイウエイは、4人を出勤停止10日間などの処分にした。また、公社は8月5日、福岡と北九州の両都市高速で料金所運営を委託している各社に再発防止のため、記録が残るプリンター付きアルコール検知器を導入するよう求めた。名古屋ハイウエイとの契約は継続している。
4人のうち1人は毎日新聞の取材に対し、大筋の事実関係を認め「反省しているし、処分も受けた」と話した。名古屋ハイウエイは「飲酒から巡回まで十分に時間を取っており飲酒運転には当たらないと思うが、呼気を調べていないので証明しようがない」と説明。公社も「酒量も多くなく仮眠を取っている」として飲酒運転に当たらないと判断した。
道路交通法では呼気1リットル当たり0. 15ミリグラム以上のアルコールが検出されれば酒気帯び運転として処罰される。基準値未満の場合は検挙されないが、警察から警告書が出される。
北九州都市高速(1〜5号線)は総延長約50キロで、7月は1日平均約9万台が利用していた。【曽田拓、鈴木一生、比嘉洋】