Updated: Tokyo  2013/09/21 14:35  |  New York  2013/09/21 01:35  |  London  2013/09/21 06:35
 

9月20日の海外株式・債券・為替・商品市場

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  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル上昇、連銀総裁が10月縮小の可能性示唆

20日のニューヨーク外国為替市場ではドルが主要16通貨の大半に対して上昇。セントルイス連銀のブラード総裁が緩和縮小を見送ったことについて、ぎりぎりの判断だったと説明し、10月の会合で「小規模な」緩和縮小を決定する可能性もあると話したことが手掛かりとなった。

ドルは対ユーロでの下げを埋めた。ブラード総裁はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「幾らか弱めのデータを入手した」とし、緩和縮小見送りの「決定はボーダーライン上にあった」と述べた。

JPモルガンのJPモルガン・プライベート・バンクでグローバル通貨ストラテジストのサラ・イエイツ氏は、「緩和策の縮小が近づいてはいるが、市場が考えていたほど早期ではないということだ」と述べ、「引き続きドルは円やスイス・フランといった他国の通貨に対して上昇するとみている」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対ユーロでほぼ変わらず1ユーロ=1.3524ドル。ドルは対円で0.1%下げて1ドル=99円36銭。ユーロは対円で0.1%安の1ユーロ=134円37銭。

ソシエテ・ジェネラルのグローバルストラテジスト、キット・ジャックス氏は電話インタビューで、「ブラード総裁はあらためて緩和策縮小の可能性を示唆しようとしている」と述べ、「今後どうするべきなのかを見極めようと、投資家は右往左往している」と続けた。

ユーロ圏の消費者信頼感指数

欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会が20日発表した9月のユーロ圏消費者信頼感指数(速報値)はマイナス14.9。前月のマイナス15.6から改善し2011年7月以来の高水準に達したものの、ブルームバーグがまとめたエコノミスト23人の予想中央値(マイナス14.5)には届かなかった。

ドイツで22日に投開票が行われる連邦議会選挙をめぐり、INSA公表した世論調査によれば、メルケル首相が率いる中道右派連合と、野党陣営はいずれも過半数の支持を得られない見通し。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの主任市場アナリスト、オマー・エシナー氏(ワシントン在住)は「欧州の投資家はドイツの選挙を前にポジションを解消しつつある」と指摘、「投資家はFOMCの決定を受け、ドルに対するユーロのロングポジションで得た利益を確定させている」と続けた。

ユーロが上昇

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数によると、ユーロは過去6カ月間で4.2%上昇。円は4.5%下落、ドルは0.8%下げた。

ラボバンク・インターナショナルのシニア為替ストラテジスト、ジェーン・フォーリー氏は、「危機が最悪期を脱したと受け止められていることを示している」と述べ、「また、ユーロ圏の経常収支の状況が非常に良好であることを反映している」と続けた。

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は23日、欧州議会で証言する。

米銀が決済機関デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング(DTCC)へ提出したデータをブルームバーグがまとめたところによると、この日の外為オプションの店頭取引は合計180億ドル。前日は430億ドルだった。対円でのドルのオプション出来高は57億ドルで、シェアは33%と最大だった。

原題:Dollar Strengthens as Fed’s Bullard Says October TaperPossible(抜粋)

◎米国株:続落、緩和縮小時期で不透明感-予算問題も懸念

米株式 相場は続落。主な株価指数は8月以来の大幅安となった。金融緩和の縮小時期に関して懸念が強まっており、売りが膨らんだ。連邦予算をめぐる議会と大統領の対立も悪材料。

マイクロソフトやゼネラル・エレクトリック(GE)など大型株が下落。キャタピラーは3.4%下げた。同社の世界市場でのリテール機械販売が9カ月連続で減少したことが売りを誘った。4500人を削減すると発表したブラックベリーは17%急落。AKスティール ・ホールディングなど鉄鋼株が下げた。同社は第3四半期の損益が赤字になるとの見通しを示した。

S&P500種 株価指数は前日比0.7%安の1709.91と、8月27日以来の大幅安。ダウ工業株30種平均は185.46ドル(1.2%)安の15451.09ドルで終えた。これは8月15日以降で最大の下げ。両指数とも18日に最高値を更新した後、2日連続で下げた。

USAAインベストメンツの専務取締役、ジョン・クバンタス氏は電話インタビューで、「米金融当局をめぐり市場はやや困惑しているのだろう」と指摘。「当局は『確かに縮小しなかったが、決して縮小しないという意味ではなく、実際にはかなり近いうちに縮小するかもしれない』というメッセージを送ろうとしているのだろう」と話した。

クアドラプルウィッチング

この日は株価指数や個別銘柄の先物、オプションの期限が重なる「クアドラプルウィッチング」となり、米証券取引所全体の出来高は約89億株と、6月28日以来の大商い。取引終了後にダウ平均にゴールドマン・サックスとナイキが入り、S&P500種にバーテックス・ファーマシューティカルズとアメテックが採用されることも影響した。S&P500種銘柄の四半期に1度のリバランスの日だったことも材料視された。

週間でS&P500種は1.3%上昇した。連邦公開市場委員会(FOMC)が18日に予想に反して金融緩和の縮小を見送ったことが買い材料。

ブルームバーグがエコノミスト41人を対象に18-19日実施した調査では24人が、FOMCは月850億ドルで実施している債券購入のペース減速開始を12月まで待つと予想した。

セントルイス連銀のブラード総裁は20日、緩和縮小を見送ったことについて、ぎりぎりの判断だったと説明し、10月の会合で「小規模な」緩和縮小を決定する可能性があると話した。次回会合は10月29-30日。

ブラード総裁はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「決定はボーダーライン上にあった」と述べ、「委員会は『静観しよう』という判断に落ち着いた」と続けた。

カンザスシティー連銀のジョージ総裁はこの日、労働市場は大きく改善していると指摘。資産購入のペースを維持したFOMCの決定は「混乱を招き、ずれを生じさせた」と述べた。同総裁はFOMCの決定に反対票を投じた。

債務上限

連邦債務が法定上限に近づいていることにも注目が集まっている。現行の政府予算は9月30日で失効し、財務省は政府の資金調達能力が10月半ばに底をつくと予想している。

共和党が過半数議席を握る下院は20日、12月半ばまで連邦政府機関の運営を可能にする暫定予算案を可決した。同案では医療保険制度改革法への資金を恒久的に打ち切ることが盛り込まれている。上院は来週に独自案を審議する。ホワイトハウスはオバマ大統領が下院案に対して拒否権を発動することを明言している。

マックイーン・ボール・アンド・アソシエイツの最高投資責任者(CIO)、ビル・シュルツ氏は「政治的な不透明感があり、対立が続き、政府機関閉鎖の恐れがあるとき、市場のセンチメントにプラスであるとは解釈できない。経済活動が鈍る可能性が考えられる」と指摘した。

原題:U.S. Stocks Drop Most Since August on Stimulus, FundingConcerns(抜粋)

◎米国債:週間で7月来の大幅高-緩和縮小予測仕切り直しで

米国債相場は週間ベースで7月以来の大幅高となった。連邦公開市場委員会(FOMC)が今週の会合で市場の予想に反して債券購入の縮小を見送ったことから買いが膨らんだ。

この日の相場は一時下げる場面があった。セントルイス連銀のブラード総裁が、現在月850億ドルで実施している債券購入について、10月の会合で「小規模」な縮小を決定する可能性もあると述べたことに反応した。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は18日、FOMC会合後の記者会見で、労働市場をめぐる状況は当局が望むような状態からはなお程遠いとの認識を示した。

BNYメロン・キャピタル・マーケッツの米国債トレーディング責任者、ダン・マルホランド氏は「バーナンキ議長は、経済データが改善するまで現状を維持したかった」と分析。「今後は金融当局者の発言や経済データに注目することになる」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後4時59分現在、10年債利回り は前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.73%。一時4bp下げる場面もあった。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は5/32上げて97 31/32。

10年債利回りは今週15bp下げ、7月12日終了週以来の大幅な低下となった。

量的緩和の縮小

ブルームバーグがエコノミスト41人を対象に18-19日実施した調査では24人が、FOMCは月850億ドルで実施している債券購入のペース減速開始を12月まで待つと予想した。8月9-13日の調査の中央値では、縮小開始は今週の会合で決定されると見込まれていた。

カンザスシティー連銀のジョージ総裁はこの日、ニューヨークでの講演で、市場は国債購入の調整に備えていたことから、縮小見送りの決定を受けて失望感が広がったとの認識を示した。ジョージ総裁は今回の会合で、政策決定に反対票を投じた。同総裁が反対票を投じるのはこれで6会合連続。

セントルイス連銀のブラード総裁はブルームバーグテレビのインタビューで、「弱めのデータが入ってきた」と発言。FOMCの「決定はボーダーライン上にあった」とも語り、「委員会は『静観しよう』という判断に落ち着いた」と続けた。

また「インフレ率は低い」とし、そうした現状では「われわれは辛抱強くなれる」と付け加えた。

「神経を擦り減らす」

ブラード総裁は、市場は今回の決定に驚くべきではないと指摘。FOMCメンバーは、緩和縮小の決定は「経済データ次第」だと繰り返し述べてきたからだと説明した。

ニューエッジUSA(ニューヨーク)の金利ストラテジスト、デービッド・ロビン氏は「皆神経を擦り減らしている」とし、FOMC会合以降「市場ではイールドカーブがどのような形になるかを把握し、ポジションを整理しようとする動きが続いている」と述べた。

バーナンキ議長は18日の記者会見で、「今日の労働市場をめぐる状況はわれわれ全員が望むような状態からはなお程遠い」と発言。「委員会は最近数カ月に金融状況が急速に引き締まったことが景気を減速させる影響を与えた可能性があると懸念している」と語った。

原題:Treasuries Post Biggest Weekly Gain Since July as Fed BetsPared(抜粋)

◎NY金:大幅反落、連銀総裁発言で10月にも緩和縮小との観測

ニューヨーク金相場は大幅反落。セントルイス連銀のブラード総裁が10月連邦公開市場委員会(FOMC)での「金融緩和の小幅縮小」はあり得ると述べたことから、価値保存手段としての金の需要が低下し、11週間ぶりの大幅安となった。

ブラード総裁は20日、ブルームバーグとのインタビューで、資産購入規模を維持した18日のFOMC決定について、「ボーダーライン上にあった」と語った。大方の市場の予想に反する資産購入規模据え置きを受けて、前日の金は4.7%急伸。2009年3月以来の大幅高となっていた。

TDセキュリティーズのバイスプレジデント、スティーブ・スカカロシ氏はリポートで「市場は新たなFOMCウオッチングのサイクルに入った」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物12月限は前日比2.7%安の1オンス=1332.50ドルで終了。中心限月としては、7月5日以来の大幅安となった。

原題:Gold, Silver Futures Tumble as October Taper SpeculationMounts(抜粋)

◎NY原油:続落、リビアの生産回復と地政学リスク低下で

ニューヨーク原油先物相場は続落し、1カ月ぶりの安値。リビアの原油生産が持ち直したほか、シリア攻撃の脅威が薄れたことから、中東産原油の供給不安が和らいだ。

週間ベースでは3カ月ぶりの大幅安となった。政府当局者らによると、リビアの生産は19日の時点で月初の5倍以上の水準に達した。イラクの生産能力も拡大している。シリアは化学兵器の情報を国際機関に提出した。イランのロウハニ大統領は核兵器の開発はしないと表明した。米政府と議会の予算審議紛糾が政府機関の閉鎖につながりかねないとの懸念から、原油の下げは加速した。

ストラテジック・エナジー・アンド・エコノミック・リサーチ(マサチューセッツ州ウィンチェスター)のマイケル・リンチ社長は「弱気相場の雲行きになってきた」と指摘。「リビアとイラクで生産が増えており、供給増加が予想される。シリアとイランの状況も落ち着きつつあり、地政学的プレミアムが少し縮小した」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前日比1.72ドル(1.62%)安の1バレル=104.67ドルで終了。終値としては8月21日以来の安値。週間では3.3%値下がりし、6月以来の大幅安となった。10月限はこの日が最終取引。中心限月となった11月限は1.11ドル下げて104.75ドル。

原題:WTI Crude Falls to One-Month Low as Libyan ProductionRebounds(抜粋)

◎欧州株:5年ぶり高値から反落-米当局者が緩和策縮小を示唆

20日の欧州株式 相場は下落。指標のストックス欧州600指数は前日付けた5年ぶり高値から反落した。米セントルイス連銀のブラード総裁が10月の会合で緩和縮小を決定する可能性を示唆したことが手掛かりとなった。

ドイツのスポーツ用品メーカー、アディダスは3%下落。通期利益見通しを下方修正したことが売り材料。ドイツ銀行は2.1%安。同行が債券部門の収入見通しを引き下げる可能性があるとの報道が嫌気された。英自動車保険会社ダイレクトラインは3.7%下げた。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)が6億3000万ポンド相当の保有株を売却した。

ストックス欧州600指数 は前日比0.3%安の314.2で終了。一時は0.2%上昇した。週間ベースでは0.9%高。年初来上昇率は12%となっている。同指数は前日に2008年6月以来の高水準に達した。

ノルデア銀行のストラテジスト、ヘンリク・ドゥルセビエリ氏(コペンハーゲン在勤)は電話インタビューで、「ほぼ全ての投資家は米緩和縮小を見込んでいた」と述べた上で、「米当局による縮小先送りの示唆で相場が大きく上昇していたことから、ブラード総裁発言が懸念材料となるのは確実だろう」と語った。

20日の西欧市場では18カ国中11カ国で主要株価指数が下落。英FTSE100指数は0.4%、独DAX指数は0.2%、仏CAC40指数は0.1%それぞれ下げた。

原題:European Stocks Decline as Bullard Says FedMay Taper in October (抜粋)

◎欧州債:ドイツ債下落、ECB融資の返済加速で-英国債も下げ

20日の欧州債市場ではドイツ国債が下落。ユーロ圏の市中銀行が欧州中央銀行(ECB)から借り入れた資金の返済で、来週の返済予定額が5月以降最大となったことから、銀行による資金手当てのための国債の売りが加速するとの観測が高まった。

ドイツ10年債は利回りが週初来の下げを縮小。フランスとベルギー、オランダの国債も同様となった。ECBはこの日、市中銀行に融資した3年物資金のうち79億1000万ユーロが来週返済されると明らかにした。一方、スペイン2年債利回りは2010年4月以来の水準に低下。9月のユーロ圏消費者信頼感が2年ぶり高水準に達したことが背景。ドイツでは22日に連邦議会選挙が実施される。

ラボバンク・インターナショナル(ロンドン)のシニア金利ストラテジスト、リチャード・マクガイア氏は「予想以上の大きな返済額だ」とし、「返済が加速した場合、利回り抑制の効果がなくなる水準まで流動性が低下することが懸念される。事実上の引き締めとなることから、利回り全体に影響を及ぼしている。ドイツ国債利回りは緩やかに上昇の方向だ」と語った。

ロンドン時間午後4時59分現在、ドイツ10年債利回りは前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.94%。前日は1.85%と、8月30日以来の低水準 となった。前週末比では3bp低下。同国債(表面利率2%、2023年8月償還)価格はこの日、0.19下げ100.51。

欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会が発表した9月のユーロ圏消費者信頼感指数はマイナス14.9。前月のマイナス15.6から改善し2011年7月以来の高水準に達した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト23人の予想中央値はマイナス14.5だった。

英国債相場は下落。米セントルイス連銀のブラード総裁が10月の会合で緩和縮小を決定する可能性を示唆したことが手掛かり。

ロンドン時間午後4時21分現在、10年債利回り は3bp上昇の2.93%。前週末比では2bp上げた。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格はこの日、0.24下げ94.17。

原題:German Bonds Fall as ECB Loan RepaymentClimbs to Most Since May(抜粋)Gilts Drop as Bullard Says Fed May SlowStimulus; Pound Weakens(抜粋)

更新日時: 2013/09/21 07:04 JST

 
 
 
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