このようにすでに小学校のときから、子どもたちは頭に来ることがあっても、言い返したり、暴力を振るったりしてはいけないということを繰り返して学んできているのだ。こうした教育内容は、中・高の教育課程でも引き続き行われている。
しかし、本紙が小・中・高校生10人に対して、学校で学んだ内容が「カッ」となった時に感情をコントロールする上で役に立ったかと質問したところ、10人全員が「役に立たなかった」と回答した。
高2のイムさん(17)は「道徳の授業も他の科目のように試験のために覚えるといった感じで勉強する。教科書の内容は全て正しい内容だが、心に訴え掛けるものがない」と話す。「理論」だけの勉強であって「実践する方法」は学んでいないのだ。
高3のキムさん(18)は「マンションの上の階と下の階で騒音問題が生じた際、学校で学んだように『ちょっと静かにしてください』と何度か丁寧に言ってみたところで解決されず、結局『カッ』となってしまう。小さいころから授業中に他人に対する気配りを忘れず、互いに協力しなければならないと学んだが、実際とは大きく懸け離れている」と話した。
中3のイさんは「授業時間に腹が立つ状況を実際に演出し、その役割を実際に演じてみることで、実感できるのではないか」と提案した。
■「実際の状況に対処できる方法を教えることが大切」
忠清南道にあるミダン小学校のパク・ウンジョン校長(公州大学兼任教授)は「韓国の青少年たちが感情をコントロールできなくなってしまった根本原因は、教育課程と実際の現実の間に大きな隔たりがあるためだ。12年間にわたって学ぶ教科書の内容は立派だが、教師がこれを表面的にのみ教えて評価するため、『教科書の内容』と『学生たちの内面』は大きく食い違っている」と分析した。
また、仁川Weeセンターのキム・ミジン専門カウンセラーは「授業中に関連したテーマを扱う際には、班ごとの集まりなどを持って、子どもたちが具体的な葛藤にどのように対処していくべきかを考え、話し合いながら意見を交換する時間を増やさなければならない。できれば互いに役割を与えて演劇させるなど、感情が激しくなるシチュエーションを作り出すことが望ましい」と説明した。