日本外国特派員協会(FCCJ)は既報の通り9月25日(水)のボードミーティング(& GMM)でバイ・ロウ(By Law)の改訂案を決議しようとしている。
Agenda6:「FCCJに対してリーガル・アクション(訴訟)起す、または起こしている会員は、訴状を取り下げる迄会員資格を停止するものとする。但し訴状を取り下げた時点で、何ら不利益も無く即座に資格は回復される」
LAタイムスの支社長などを勤めた大物、サム・ジェイムスンが今年の春、死んでから、ボードメンバーは怖いもの無しで大ナタを振るい始める。サムは訴訟の音頭取りだった。
「ハイ、御免なさい。私が悪うございました」と訴状を取り下げる者は誰も居ないことは火を見るよりも明らかだ。
能天気のパツキン会長がFCCJの主(ぬし)のような元会長グループの大物5〜6人を本当にクビに出来るのか「高みの見物」だ。
FCCJ顧問弁護士、「横・横コンビ」三百代言に騙されて無謀な賭けに乗り出したとしか思えない。「焦眉の急」イッシュー、赤字垂れ流しの「F&B」問題はそっちのけ。
リーガルフィーが1000万円を遥かに超え年間予算の3倍になっているのも気にもしない。横・横コンビは「マッチ・ポンプ」、トラブルを起こし煽り立てれば弁護士フィーは懐に転がり込む。
このブログでも取り上げたが三谷幸喜の小説「清須会議」(幻冬舎:2012年6月刊)は信長の後継者を決める会議と言う歴史上の事実を三谷が面白おかしく翻案して笑いながら読み終える堪能する読み物に仕上げている。その小説を三谷自身が脚本を書き監督して映画化すると聞けばその面白さや質の高さは容易に予測される。
三谷が原作・脚本・監督を始めたのは97年の「ラヂオの時間」から。2作目は01年の「みんなのいえ」。ここまでは舞台が頭から離れず映画文法が分かっていなかったから詰まらない作品になっていた。しかし映画の原点のようなグランドホテル形式で撮った06年の「THE有頂天ホテル」でコツを掴んだ。映画オリジナルに書き下ろした脚本で大変面白く、興行収入(BO)60.8億円と言う大ヒットになった。その後映画作りのコツとツボを修得した三谷は、08年「マジック・アワー」(BO:39.2億円)、11年「ステキな金縛り」(BO:42.8億円)と立て続けにヒットを飛ばし、この6作目に至ったのだ。だから当然「清須会議」も、スタジオや観客もヒット線上にあると予測している。
時は天正10年。明智光秀(浅野和之)の反乱「本能寺の変」により、織田信長(篠井英介)と長男信忠(中村勘三郎)が討たれ、「信長の後継者」を決める会議が始まる。
そこに会議を取り仕切るべく名乗りをあげたのは、筆頭家老の柴田勝家と、後に豊臣秀吉と名乗ることになる羽柴秀吉。ふたりはそれぞれ、自分の同調者を作るべく水面下で奔走する。そして、いよいよ清須会議が開かれる。
決定会議に臨席し議論するのが織田家・宿老の3家老で5宿老の内、明智は秀吉に討たれ、滝川一益(阿南健治)は関東で北条家と戦っていたため会議に間に合わない。駆けつけたが遅れた、と言うのは嘘。実は決定に間に合っているのだが、勝家に味方するのに決まっているので、秀吉の軍師、黒田官兵衛(寺島進)がまんまと騙して出席を阻むのだ。軍師のテクニックを発揮する官兵衛とあっさり騙される滝川の笑えるシーン。
後継者候補は二人、信長の次男織田信雄(妻夫木聡)、通称三介。どうしようもないバカ殿で信長の絢爛たる安土城を焼いたのも信雄。考えもせず皮膚感覚だけで動くいい加減な性格で、家臣からの人望も皆無、自分は頭が良いと思っているバカは手が付けられない。
信長の三男織田信孝(坂東巳之助)、通称三七。本来信雄より先に生まれていたが、母方の血筋が卑しかった(妾)ため三男とされている。次兄信雄よりもはるかに文武に優れて聡明だが明智に討たれた長兄の信忠に比べると器は小さい。つまりどちらも「任」でないと言うのが前提。
織田家の筆頭宿老・柴田勝家(役所広司)が主役だろう。通称権六。戦場では鬼神の如き強さを見せるが、こと頭の方、謀略や駆け引きは大の苦手。不器用だが素直で熱い性格。織田家のことを第一に考えており、次男の信雄よりも優秀な三男の信孝を後継者に推している。信孝を推す信長の妹お市の方(鈴木京香)に惚れぬいている。お市の方は無骨で近寄られるだけで臭い匂いを発散する勝家は大嫌い。
羽柴秀吉(大泉洋)は織田家五人の宿老の一人。通称筑前、もしくは藤吉郎。宿老としては末席だったが、光秀を山崎の戦いで討ったことで急速に発言力を高めている。人心掌握に長け、人懐っこい笑顔を見せ卑屈になる内側で、手段を選ばず、己の目的ためにはなんでも利用する性格。何れ天下を取ると心に決めている。会議では勝家に対抗すべく心にも無いバカ殿、信雄を後継者に推す。秀吉も勝家同様、お市の方に憧れている。それにお市は信長亡き後の織田家のシンボル的存在だ。
丹羽長秀(小日向文世)は織田家の五人の宿老の一人。通称五郎左。冷静沈着で明晰な頭脳の持ち主。会議では古くからの盟友・勝家の参謀として秀吉に対抗する。昔のよしみで勝家を好ましく思うがその先見性の無さ頭の悪さに不安も感じている。
信長の乳兄弟、池田恒興(佐藤浩市)も列席している。通称勝三郎。武将としても人物としても二流だが世渡りはうまく、誰がボスか見抜く眼力はある。光秀の欠員を埋めるため秀吉の推挙によって宿老に引き上げられ、急遽会議の末席に参加する。極めて打算的な人物であり、ギリギリまでどちらを支持するかはっきりさせない。
会議二日目に信雄と信孝の能力を試す実地テストがある。原作では火縄銃での猪狩りで実際に猪に出会った信雄が腰を抜かし皆の失笑をかう場面があるが、これが野原での単なる駆けっこになったのには唖然とする。徒競走では面白くもオカシクもない。旗竿のゴールを抜けてドンドン走る信雄はバカ過ぎて笑えない。
秀吉のアッと驚く解決策で会議は終了するが、これも秀吉の天下取りの通過点に過ぎない。勝家一行が清須を離れ自分の領地へ出発を田舎道の泥の中で秀吉は、嫁の寧(中谷美紀)と平身低頭、土下座をして見送るシーンは天下を取るために何でもする秀吉の策略。そんなこととは露知らずいい気持ちで馬上に揺られる勝家の能天気さを役所は好演している。大泉の秀吉と併せ二人とも熱演でドラマを盛り立てる。三谷は役者の潜在素質を引き出す名人だ。
11月9日TOHOシネマズ他で全国公開される。
|