'13/9/20
H&M開店で広域集客に期待
スウェーデンのカジュアル衣料品店「H&M」の中四国初出店を21日に控え、広島市中区の中心街では広域からの集客に期待が高まっている。周辺の八丁堀地区では専門店の出店も相次ぐ。一方、西に約500メートル離れた紙屋町地区は、ファッションイベントなどで存在感をアピールする。
「街に出た時は必ず寄るお店になる」。安芸区の会社員浜保美紀さん(24)はH&Mが入るガラス張りのビルを見上げた。「安くておしゃれな服をたくさん買いたい」と期待を膨らませる。
南に隣接するパルコ広島店は四国や山陰などからも客を集める。パルコは「H&Mと客層が似ているため、さらに集客力が高まる」と見込む。
パルコは10月10日、広島店の南側に衣料やアウトドア用品など6店が入る新棟「広島ゼロゲート」を開く。本館と新館でも計36店の出店、改装を予定し「最大限の攻めの姿勢」で商戦に臨む。
本通り商店街は10日からH&Mのオープンを知らせる大型のバナー9枚を掲げている。同商店街振興組合の下村純一理事長は、JR広島駅前で進む再開発を見据え「駅前に客を奪われないよう商店街の魅力を高める必要がある」とする。
「若い女性を呼び込むチャンス」。百貨店の福屋八丁堀本店(中区)は12日、H&Mに近い入り口付近にある化粧品売り場を11年ぶりに全面改装した。「20、30代の来店が増えている」と手応えを示す。
八丁堀地区と周辺では専門店の出店が目立つ。地場流通大手のイズミ(南区)は今冬、海外ブランド品販売の「エクセル」を開く。眼鏡店「JINS(ジンズ)」は8月に、国内最大級の店を本通り商店街に出した。
一方、紙屋町地区の百貨店と専門店街の4施設は10月下旬、地区内のホテルで女性200人を集めたファッションショーを共同企画する。事務局は「女性が輝く街として存在感を示したい」と話す。
紙屋町地区にとっては、集客力を高める郊外店に対抗する上で中心街の魅力アップは追い風。ただ、同地区からパルコの新棟に移るテナントもあり、ファッション関連の集積が八丁堀地区に傾く懸念もある。
【写真説明】広島市中心部にオープンするH&M