慎太郎の叱責で発奮
こうして広がった水野氏の人脈に注目したのが、 '11年9月に設立された招致委員会だ。IOCの規約で、スポーツ用品メーカーに属している人間は招致メンバーにはなれない。要請を快諾した水野氏は会長職を辞して、委員会入りした。
委員会の理事長として、水野氏とタッグを組むことになったのがJOC会長の竹田恒和氏(65)だ。竹田氏は明治天皇の孫で「プリンス・タケダ」と呼ばれた竹田宮恒徳王の三男。親子2代のIOC委員だが、4年前に失敗した '16年五輪招致では屈辱的な経験をしている。
「当時の石原慎太郎都知事から『委員会は本当にだらしない。国際的人脈がなさすぎる。努力が足りないから落ちるんだ』と叱責されたんです。普段は穏やかな竹田さんも、これは頭にきたようです。『私の人生をかけて次の選考は成功させてみせる』と、激しい口調で話していましたから」(JOC関係者)
前回の招致では、あまり日本を離れることがなかった竹田氏。5年ほど前に再婚した寿々子夫人の60坪ほどの実家に住み、目立った資産もないようだ。自宅に要人を招くこともなかったという。
だが今回は違った。この1年間で約50ヵ国を回り、80人近いIOC委員と個別に会談。本人が「総移動距離は地球10周分以上」と話すほど熱烈な招致活動で、海外の人脈を広げていった。
「水野さんも驚いていました。初めて会った時は大人しい人だなという印象だったそうですが、東京での五輪開催が決定すると、周囲にこう漏らしていました。『物静かな竹田さんに、執念を感じた。涙ぐましい努力をなさったんだと思う』と」(前出・JOC関係者)
竹田氏は8月にロシアのサンクトペテルブルクに滞在中、実母の光子さんを亡くしている。決戦の地ブエノスアイレスへ旅立つ直前には、両親の墓前で「必ず勝ち取ってきます」と誓ったという。
「フライデー」2013年9月27日号より
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