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佐々木氏「鶴の一声で契約決めた」/悼む

 任天堂を世界的なゲーム機メーカーに育てた前社長の山内溥(やまうち・ひろし)相談役が19日午前、京都市内の病院で肺炎のため死去した。85歳だった。日刊スポーツ評論家・佐々木主浩氏のコメント。

 99年オフ、私がマリナーズ入団を決めたのは、山内オーナーの存在抜きには語れない。口説き文句は「シアトルのピカチュウになってください」。今だから言えるが、私の契約内容を鶴の一声で決めてくれたのは山内さんだった。代理人を介さず、2人だけで交渉に臨んだこともある。マリナーズで4年間、伸び伸びプレーできたのも、オーナーとして環境を整えてくれた山内さんのおかげだった。イチローも同じことを思っているだろう。

 シーズン後は必ずあいさつで京都の本社に足を運び、野球談議に花を咲かせた。ただオーナーに就任してから、1度も球場に足を踏み入れたことがないと聞いていたので、「ワールドシリーズに出場したら、ぜひ球場でお待ちしています」と約束したのを覚えている。その約束を果たせなかったのが、今も心残りです。

 [2013年9月20日9時5分 紙面から]

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