追跡:2013ひろしま 広電駅前大橋線で廃止の3電停 周辺住民が反対 「地域は沈没」の声も /広島

毎日新聞 2013年08月29日 地方版

 ◇広島市「期限決めず了解得たい」

 JR南口広場再整備計画に伴い、広島電鉄や広島市が構想する路面電車の新路線「駅前大橋線」を巡り、廃止される現路線の3電停の周辺住民から反対の声が上がっている。市は当初、他案と比較検討し今年度内に計画決定する方針を示していたが、松井一実市長は21日の記者会見で「後(期限)を決めず、まずは沿線住民に了解を得たい」と後退。同日、沿線の荒神地区(南区)住民を対象に初の説明会を開いたが、反発の声が相次いだ。【吉村周平】

 有識者による検討委員会は6月、現状の荒神橋を通り駅へ向かうルートから、手前の稲荷町交差点で駅前大橋へと進路を変更、駅前大橋から高架化し駅ビル2階へと乗り入れる案(約135億円)を最有力案として挙げた。JRからの乗り換えがスムーズになり、広島駅から市中心部まで早く着くなどのメリットがあるが、ルート変更に伴い、猿猴橋町▽的場町(本線、皆実線)▽段原一丁目(皆実線)−−の3電停が廃止されることになる。ただ、現ルートのままだと高架化はできず、時間短縮は見込めない。

 荒神地区の42人が参加した21日の説明会では、新ルートで既存の電停が廃止されることへの懸念の声が相次いだ。参加男性の1人は「いつも的場町電停を使っており、なくなると不便だ。JRからの乗り換え時間が1分ほど短縮されるのと、住民の負担増加では比較にならない」と訴えた。別の女性は「このままでは地域は沈没の一途だ」と嘆いた。

 廃線となる路線を実際に歩いてみた。荒神交差点から的場町電停までは約300メートル。信号もあり、ゆっくり歩いて約5分だ。同電停が廃止された場合、稲荷町電停まで歩くとさらに約5分かかる。高齢者らには負担が大きい。市は廃線ルートに巡回バスを走らせるとするが、市民からは「バスでは道路状況によって時間が読めない」と好意的ではない。

 検討委の検討過程にも不満が上がっている。乗り換え時間や中心部へのアクセス時間の短縮を望む声が多数を占める広島駅利用者へのアンケートが参考にされたのに対し、沿線住民への調査は行われなかった。市都市交通部公共交通計画担当の品川弘司課長は「具体案を示せなければ、議論はできない」と釈明。「今回の説明会で地元の貴重な意見をいただいた。できるものかそうでないか、一つずつ絞り込んで検討する」と話した。

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