|
【ニューデリー=五十嵐誠】インドで増え続ける強姦(ごうかん)事件が社会問題化し、女性の安全確保を求める声が高まっている。厳罰化を求める若者らはデモを続けて警官隊とぶつかる。女性蔑視の風潮のもと、警察に侮辱された女性が自殺する事件も起きた。政府や警察にも向けられた怒りはおさまりそうにない。
ニューデリー中心部は29日、デモによる混乱を警戒して厳戒態勢が敷かれた。数千人規模の機動隊や警官が配置され、道路や地下鉄の駅も閉鎖された。大規模デモのきっかけになった集団強姦事件で重体に陥っていた女子学生(23)がこの日朝、治療を受けていたシンガポールの病院で死亡。追悼の集会に約1千人が集まった。ネール大学の学生ら約500人は大学から事件現場まで行進。集会やデモはインド各地であった。
事件は16日夜にニューデリーで起きた。友人の男性と映画を見た帰りに乗ったバスで男6人に襲われた。バスは正規の業者ではなく運転手も一味だった。レイプされ、鉄の棒で殴られて友人男性とともに車外に投げ出された。