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【大リーグ】

岩隈、最強打線0封で13勝目 サイ・ヤング右腕にも投げ勝つ

2013年9月20日 紙面から

◇マリナーズ8−0タイガース

 クマが猛虎狩り!? マリナーズの岩隈久志投手(32)は18日(日本時間19日)、敵地でのタイガース戦に先発し、メジャーでの自己最長タイとなる8イニングを4安打無失点に抑え、日本人投手では今季最多の13勝目(6敗)を挙げた。タ軍は昨季の三冠王、ミゲル・カブレラ三塁手(30)らを擁し、30球団一のチーム打率2割8分5厘を誇るが、制球、球の切れとも抜群の右腕の前に、4安打のうちクリーンヒットは1本だけと形無しだった。岩隈の今季登板は残り2試合。日本人初のシーズン投球回200イニング&防御率2点台締めもほぼ確実になった。

 カブレラを二ゴロに仕留め、この日8つ目のガチョウの卵(形状が似ていることからゼロの意味)をスコアボードに並べた岩隈がベンチに引き揚げてくると、ウェッジ監督が満面に笑みをたたえながら近づいてきた。左手でその肩を2度たたき、ねぎらいの言葉を一つ、二つ。“よく投げた。十分だ”という降板の合図だった。

 タ軍の先発は2011年サイ・ヤング賞投手のバーランダー。時事電によると、「1点を与えた方が負けるのではないかと思っていた。先制点を与えないという気持ちで投げた」(岩隈)と序盤から飛ばした。ただ、この日は「どの球種も思ったように投げられた」で窮地は1、4回の満塁だけ。それも2死だった1回は空振り三振で、1死だった4回は遊ゴロ併殺でしのぐと、自滅気味に失点を繰り返したバーランダーを尻目に、テンポ良く回を重ねた。

 対カブレラではまず一発警戒。「うまくタイミングをずらして打ち取ることができた」で2三振を含む4打席凡退と完全に抑え込んだ。ウェッジ監督も「ミギー(カブレラ)からあんな空振りを取る投手を他に見たことあるかい?」と目を細める快投。敵将のリーランド監督も「どんな強力打線も好投手に遭えばこんなもの。岩隈はその一人であることを証明した」と脱帽だった。

 これで敵地では25イニング連続無失点。1989年のB・ホルマン、94年のR・ジョンソンに並ぶ球団タイ記録となった。記録専門のスタッツ社によれば、今季に限れば、25イニング2/3連続無失点のJ・ケリー(カージナルス)と2人しか達成していない快挙だった。

 「記録を意識して投げてはいない。無心で目の前の打者に集中して投げた結果」。打線の援護に恵まれず、勝ち星こそ伸び悩んでいるが、ア・リーグ2位のWHIP(1イニング当たりの被安打+与四球)をはじめ、同3位の防御率、被打率、同9位タイの奪三振数といずれもトップ10に名を連ねる岩隈。10年に13勝12敗でサイ・ヤング賞に輝いた同僚ヘルナンデスの例もある。日本人初の投球回200イニング&防御率2点台以外にも、岩隈が“実り多き秋”を迎える可能性は十分ある。

 

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