プロ野球の加藤良三コミッショナー(72)が19日、東京都内で行われたオーナー会議で辞意を表明した。統一球を飛びやすく変更していながら公表していなかった問題の責任を取り、今季の公式戦日程が終了した時点で辞任する意向だ。ペナントレース佳境での電撃辞任表明には球界やファンからの批判が集中するのは間違いない。最後まで「空気の読めないコミッショナー」を貫いた形だ。次期コミッショナー最有力候補のソフトバンク・王貞治球団会長(73)は固辞しており、後任選びは難航必至だ。
加藤コミッショナーはこの日、東京都内のホテルで開催されたオーナー会議に出席し、辞意を表明。その後の会見で改めてコミッショナーの職を退く考えを明かし、その理由について「統一球問題で世間を騒がせ、野球ファンや関係者に大きな迷惑をかけたから」と説明。辞任の時期は「レギュラーシーズン終了後」といい「まだ任期は1か月あるので、できることをやりたい」と話した。
巨人と楽天が優勝目前でシーズンはまさに佳境。加藤コミッショナーの任期は来年6月末までで、約10か月残っている。なぜ、この時期の辞意表明なのか。本人は「なるべく早くフレッシュなスタートを切った方がいいと考えた」というが、果たして本心か。統一球問題を調査する第三者委員会の最終報告が9月末までに出される予定。内容は不明だが、加藤コミッショナーが責任を追及される可能性もある。そこで先手を打って…とも考えられる。
選手会が全会一致で加藤コミッショナーの不信任を確認するなど球界では辞任を望む声が多かったが、問題は後任人事。シーズン途中での“職場放棄”のような形の辞任劇ではさらに混とんとするのは避けられない。
コミッショナーの選任方法についての結論は出ておらず、オーナー会議議長を務めたオリックス・宮内義彦オーナー(78)は「12球団で一人この人をと思う方をピックアップして検討する」と言うにとどまった。巨人の渡辺恒雄球団会長(87)が後任に指名した“本命”の王会長は「光栄だが体力的に無理」と固辞している。
そんな中、加藤コミッショナーに「一刻も早く辞めていただきたい」と辞任要求を突きつけていた本紙専属評論家の伊原春樹氏は「ようやくその気になりましたか。遅きに失した感は否めませんが」と感想を口にした。
後任については「やっぱり(各方面に)モノが言えて行動できる人じゃないとね。天下り的な人をコミッショナーに呼ぶのはもうやめてもらいたい」とした上で、これまで通り「王さんが適任」とした。
だが王氏の体調を心配する声は多い。「体のことを考えるとゴリ押しはできない。でも球界には優秀なOBがたくさんいる。行動力があって12球団にモノが言える人を選んでもらいたい。あくまで人物ありきだが、思い切って若い人にかじ取りを任せてもいいんじゃないか」と肩書に固執しない人選を要望した。
統一球問題の結論も出ていないだけではなく、日米間で交渉中のポスティングシステム(入札制度)の新制度問題、2020年の東京五輪での野球・ソフトボールの競技復帰問題など問題が山積みしている球界が、今回の辞任劇で未曾有の大混乱に陥るのは避けられない。
ボートレース住之江で開催されていた「第25回大阪スポーツ賞アクアクイーンカップ」は16日、第12Rで優勝戦が行われ、インからコンマ09のトップスタートを決めた中里優子(埼玉)が逃げ切り快勝した。
「GⅠ第56回オールスター競輪」は17日、最終日を行った。決勝は地元の後閑信一(43)が、2角まくりを決めて優勝。2006年7月寛仁親王牌以来、3回目のタイトルを手にした。
南関東4競馬場の全レースと全国の地方競馬(一部)を発売する会員制場外馬券発売所・F-keiba(エフケイバ)木更津にミス東スポが来場。当日メーンレース「日本テレビ盃(JpnⅡ)」を中心に大胆予想を披露する。