性犯罪の危険にさらされる夜勤の女性たち

夜間の病院で看護師や薬剤師が患者などから性的暴行
明け方に出勤する女性が痴漢被害に

性犯罪の危険にさらされる夜勤の女性たち

 今月10日午前0時、ソウル市内の大学病院1階の薬局に勤務する薬剤師Aさんは、2階にある女性用トイレに入ったところ、性的暴行に遭いそうになった。トイレで突然Aさんの口を手でふさぎ、性的暴行を加えようとした犯人は、この病院に入院している患者の男(26)だった。

 男は人けのない時間に、女性用トイレの中でズボンを脱いだまま1時間も隠れていて、そこに入ってきたAさんに性的暴行を加えようとしたのだった。だが、Aさんは「来ないで!」と大声を上げて抵抗し、すんでのところで難を逃れた。ソウル東大門警察署は男を性的暴行未遂容疑で立件した。

 警察の調べに対し、男は「女性用トイレに1時間隠れていたが、止めようとする人はいなかった。退勤する女性が入ってくると思って待っていた」と供述しているという。

 Aさんと同じように、大規模な病院で夜遅くまで勤務している女性の看護師や薬剤師、清掃作業員たちが、性的暴行やわいせつ行為の危険を訴えている。夜遅くでも仕事をしなければならない職業柄、病院の入院患者や外部の人物、周囲をうろつく人物などから性犯罪の被害に遭う可能性があり、常に危険にさらされているというわけだ。

 また、これらの女性たちは、退勤時だけでなく出勤時も危険だと訴えている。警察庁が昨年発表した「発生時間別の犯罪分析」という資料によると、2011年に発生した、発生時間がはっきりしている性犯罪1万5354件のうち4599件(30%)が、午前3時から9時の間に発生している。大規模な病院の看護師や薬剤師、清掃作業員たちが出退勤する時間は午前0-5時ごろに集中しており、性犯罪の被害に遭う可能性も高い。

 ソウル市内の別の大学病院に勤務するJさん(27)も今年6月、出勤途中に病院の前の路地で痴漢の被害に遭った。Jさんは交代勤務のため、午前4時30分ごろに病院へと入っていく路地に差し掛かったところで被害に遭った。路地から飛び出してきた30代の男は、Jさんを抱きかかえて体を手で触り、Jさんが悲鳴を上げたところ、すぐに近くの大規模な団地型マンションの方へ逃げていった。Jさんは「職場の真ん前で痴漢に遭ったため、夜勤だけでなく出勤時も怖い」と話した。

 警察は、働く女性たちの通勤時間帯や深夜の防犯活動を集中的に行い、またソウル市の15の区では午後10時から午前1時の間に退勤する女性に自宅に着くまで付き添う「安心帰宅スカウトサービス」を実施しているが、明け方についてはこのような対策が講じられていない。東大門警察署のある幹部は「この時間帯に働く女性たちのために、署に対し積極的なパトロールや防犯活動を行うよう要請しているが、女性たちもホイッスルや防犯ブザーなどを所持するなど、自分の身を守る取り組みをすべき」と話した。

崔燕真(チェ・ヨンジン)記者
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