その1:X68000(初代編)2013年4月20日(土)
この日は地元のボーイスカウトのお手伝い。帰ったところでまずモニターが到着しました。
かなり厳重に梱包されております、送り主の方の68への愛情を感じます。
貼ってあるシールもカッコいい!
段ボールを開けるとチルトスタンドが同梱されていました。これがあるとカッコ良さが増すのですね。
とりあえずモニターを取り出したところ。私にとってはほぼ20年近い純正モニターとの再会です。
(昔の自分はちょっと調子が悪くなっただけで、新しいモニターを買ってポイしてました。
なんてもったいない!)
CZ-600DE。3モード対応はもちろん、アナログRGBとデジタルRGBの切り替えも出来る優れものです。
私はファミリーベーシック→X68000と来たので(飛びすぎ)デジタルRGBを使ったことはないのですが…。
背面。アナログTV入力やデジタルRGBの端子も見えます。
とりあえず症状を確認しましょう。コンセントをつないで電源ON!
いわゆる「横一」の状態です。確認が終わったので、コンセントを外して当分放置。
2013年4月21日(日)
朝から雪だよ…。10cmは積もりました。まさかゴールデンウィーク前に雪景色を
楽しむはめになるとは思わなかった…。
午前中に本体の方が届きました。キーボードもあり。マウスは欠品とのこと。
ちょうどうちにグレーのマウスが余っていたので、これを使います。
懐かしい段ボール。なかなか取っておくのって難しいんですよね。
出ました!CZ-600CE!
背面。初代って裏にもDISK EJECTボタンがあるのですね。初めて見ました。
内部でどうFDDとつながっているのだろう。
さて、本体に関しては動作確認は致しません。
もう動作がおかしいということは先方から伝わっている以上、何はともあれ
電源を修理することが先決です。無駄に電源を入れても悪化させることしか
できないので。
さっそく左タワー背面の黒いネジを3カ所外します。
あれ、2カ所はネジがありませんでした。代用できるものがないか探しておきましょう。
さて左タワーのカバーを外します。
カバーの三カ所にツメがあるので、その部分を押します。
開けたことがない場合、結構固いので焦らずに何回も押して行きます。
だんだん開いてきました。
ツメが折れると元も子もないので慎重に行きます。見えない部分なので困りはしないですが
特に人様のものなので、慎重に慎重に…。ぐいぐい。
「ぴきっ」…ギャー!
何と言うことでしょう!左タワー本体側が欠けてしまいました。
ACE以降にはない出っ張りが、4つ目の引っかかりになっていたようです。
とりあえず作業を中止し、持ち主様に連絡。謝るしかありません。ぺこぺこ。
場合によっては返却しないといけないかも…。
返事を待つこと数分、すぐ返答を頂きました。「気にしないで、続けていいです」とのこと。
感謝と申し訳ない気持ちでいっぱいですが、作業を続行することにします。
欠けた部分は拾ったので、あとで補修することにします。
さて左タワーのカバーを開けると、ACE以降とは全く異なった様相を呈していることが分かります。
まず電源ユニットがACE以降で言うところのHDDの位置にあります。こりゃHDD増設できない訳だ。
またコネクタ周りが1つの基板になっています。
とりあえず目指すものは電源なので、電源周りの4つのネジを外します。
これで電源が…外れません。どうなってるんだ?
仕方がないので、周りのコネクタ基板とFDDも外しました。残るは電源だけ。
こいつ…、浮いてるぞ…。
結局ネットで検索すること数分。初代の分解方法が見つかりました。
それによると、なんともう1つのネジが裏側から止まっており、これを取るには
右タワーの分解が必要とのこと。結局ほとんど全部ばらさないといけないのね…。
くじけずに右タワーに取りかかります。
黒いネジを外して、カバーを後ろにずらす…。今度は3つのツメ以外には何もなくきれいに取れました。
まずシールド板を外します。外側から見て見える位置のネジを外します。
そろそろ外したネジの数が増えてきたので、外したネジはシールド板にテープで貼っておきます。
右タワーの内部も当然異なります。
下半分は基板が2重になっていますが、これはこのまま外せます。
あとはケースと基板をつないでいるネジ、具体的には基板に銀のシートが貼られているところの
ネジを全て外します。あとはこじこじ。ビデオ周りが引っかかりやすいですが、少しずつずらして
基板を外します。この作業は結構大変でした。何も引っかかってないことを確認しながら作業を数分。
そして、取れた〜!
底面基板とつながっている電源線とフラットケーブルを外して、本体基板を取り去ります。
取った後の風景。
最後にようやく、電源を外します。右タワーから見て、写真の位置にネジがあります。
これを外すと、ようやく電源が取れました。やれやれ。
ひとまず休憩を入れます。
2013年4月24日(木)
ちょっと風邪でくたばってしまいました。咳をすると胸が痛いの。うひぃ。あえなく医者送り。
さてさて、残り時間はあまりありません。スピードを上げて行きましょう。
いよいよ、電源の分解に取りかかります。
ここでポイント。取り外したネジはなるべく元の穴につけたり、パーツの出所も
シールを貼るなどして覚えておきましょう。よくあるのは「分解は出来たけど元に戻らない」ことです。
カパッと開くと…むむむ。
特に液漏れらしいものは発見できません。コンデンサの防爆弁も見た感じ問題なし。
貸し主様曰く「とりあえず起動はできる」とのことなので、ゆる〜く劣化しているのかも知れません。
しいていえば高圧側のデカいコンデンサの頭がペコペコしていることくらいでしょうか?
裏側のパターンも腐食などなく、きれいなものです。ちょっと一安心。
それがわかったところで、さっそくコンデンサのリストアップをします。
電解コンデンサだけに注目すると…。
位置 |
容量(μF) |
耐圧(V) |
温度指定(℃) |
お店 |
価格(円) |
C706 | 470 | 200 | 105 | 秋月 | 350 |
C709 | 22 | 25 | 85 | 共立 | 15 |
C710 | 4.7 | 50 | 85 | 秋月 | 10 |
C714 | 4700 | 10 | 105 | 共立 | 126 |
C715 | 3300 | 10 | 105 | 共立 | 110 |
C716 | 3300 | 10 | 105 | 共立 | 110 |
C717 | 2.2 | 50 | 85 | 共立 | 15 |
C718 | 2200 | 6.3 | 85 | 共立 | 146 |
C719 | 680 | 16 | 105 | 秋月 | 40 |
C720 | 47 | 6.3 | 85 | 共立 | 21 |
C721 | 2700 | 35 | 105 | RS | 197 |
C724 | 470 | 16 | 105 | 共立 | 84 |
C725 | 470 | 35 | 105 | 共立 | 63 |
C726 | 22 | 25 | 85 | 共立 | 15 |
C728 | 47 | 10 | 85 | 共立 | 15 |
お店はすべて通販サイト、RS=RSコンポーネンツです。一番高くつくのは送料なのであんまり各社
振り分けたくはなかったのですが、在庫がないことにはお話にならず…。
発注完了。金曜日に到着…とのことでしたが、残念ながら30日まで研修のため不在にします。
修理の方はしばしお待ちを。
2013年5月1日(水)
少し気になっていたのが、2つのコンデンサについていた白い固まり。
ホットボンドかなと思っていたのですが、背の高いコンデンサ全部についているわけでもなく。
ちょうど大学の同期にコンデンサメーカーに勤めている友人がいるので、写真付きで聞いてみました。
すると「これが電解液漏れだよ」とのこと。おお。
持つべきものは友達ですね。
今日は部品の梱包確認とかで時間が経ってしまったので、明日から半田ごて作業に入ります。
2013年5月5日(水)
なんだかんだといって、飛び飛びにしか更新されていない現状。咳が止まらないの…。
今日はいよいよ半田ごて作業です。弘法筆を選ばずとは言いますが私は弘法ではないので道具に頼ります。
はんだ吸い取り機としてgootのTP-100を、半田ごてにgootのRX-802ASを用います。
結論として、簡単すぎる。これまで散々苦労していた、芋半田だのハンダ付け不良がウソのようです。
簡単すぎたので写真も撮るヒマありませんでした。電源部のコンデンサ交換終了です。
あまり安くはないですが、買って損はしません。
さて、電源部のフタはして本体を仮組みして電源オン!…動きません。
正確にはファンなどは回りますが、モニターの方に出力が来ません。何か間違ったかな?
テスターで出力電圧を調べます。5V、12V、問題ありません。
どこまで動いてるのかを比較するために、自分の手持ちのACEの電源を入れてみます。
画面が出…ない。あり?モニタがおかしいのかと思ってFDDに電脳倶楽部を入れてみますが、音はもとより
FDDアクセスも行かない。え、こっちも壊れたの?
ACEの方は外注で電源修理に出したのが昨年。それ以降も正常に動いていたので電源以外がおかしい模様。
しょうがない。ACEと初代、同時修理に突入です。
う〜ん、レトロエクスプレスまでに間に合うのか?
とりあえず電源スイッチに対する反応が両者とも見られないので、下基板から行きます。
下基板は一番ホコリが積もりやすいので、ちょうど気になってもいました。
まず、掃除をします。「無水エタノール」と「キムワイプ」
…学生時代以来だな。昔はよく鼻をかむのに使ってしまったっけ、なんてもったいない。
それはそうと、狭いところは綿棒もあわせてふいて行きます。…むむむ。
問題は2次電池にありました。周りのパターンが腐食してしまっています。あせってしまっていたので
写真はありません。んー、これ復旧できるのか?
エタノールで丁寧にふいたところ、なんとか中までは腐食が入っていない…というかそう信じたい感じです。
2次電池はACEは下基板にあります。では初代は?メイン基板にありました。こちらも腐食が進んでいます。
むー深刻。これから68を復活させようとする方はコンデンサーとともにバッテリーの交換をすすめます。
というか放っとくと手遅れになります。困った困った。直るかな?
2次電池を両者から撤去し、基板を磨きながらコンデンサーの型番をすべてチェックします。
ちょっと2機種となると量が多いので、ここには載せません。通販は共立エレショップとマルツパーツ館で、
2次電池は秋葉の通販もやっているお店(ロジックデバイス、店名はシーアール)で調達しました。
一番多く頼んだ共立エレショップは連休中は発送しないとのことで、しばし待ち。でもマルツパーツ館は
発送しましたメールがもう届きました。んー、今後考慮に入れておこう。
2013年5月9日(木)
結局連休は咳に悩まされた挙げ句、アレルギー性の喘息との診断。吸入薬の御世話になってなんとか
咳が納まりました。部品もようやく到着。
必要数×2を取り寄せたので、結構な数。電池も到着。
右側2つが初代、ACEにそれぞれついていた2次電池(ニッカド)。型番はいずれもGB50H-3。
この型番はメーカーもろともなくなり、現在同等品としては左側2つのVARTA製ニッケル水素電池に
なっています。Made in Germanyだって。
さぁて、半田ごて行くぞ〜ってところで今日も終わり。明日は元気に過ごせるかな?
2013年5月17日(金)
やべえ、モニタどころか本体すら復活しない。んー、イベント当日はハラキリ実演でもすっかなぁ。
電源については初代、うちのACEともども異常ないことを確認しましたが、全体としては動作不良。
下基板かなと思い、初代については全ての電解コンデンサを交換しましたが、直らず。
主電源を入れるといきなり電源が入るので、怪しいのは下基板なのですが…。
悩んでいても仕方が無いので、とりあえずできることはやってしまいます。
気になっているのがスルーホールちゃんとハンダ付けできているのかな?目視で確認していますが
よけい調子悪くしてたらアホだ。
2013年5月29日(水)
ハラキリ覚悟。
考えるよりハンダ付けをするしかない!間に合わなかったら当日現地でもハンダ付け?
2013年5月30日(水)
今頃だけど、フラックスが届いた。
ここんところずっと、スルーホールのハンダ上がりが悪くて悩んでたんだけど、これは半田の回り込みを
良くしてくれるもの。
ペン式でするするとコンデンサの足に塗って、ハンダ付けをすると…。
面白いようにハンダ上がりする!これはすごい。スルーホールのハンダ付けには必須としか
いいようがない。どうして今まで思いつかなかったんだろう…。
ともあれ、ACEも下基板の電解コンデンサの全交換はおしまい。
フラックスを導入してからは、あっという間でした。
肝心の動作ですが…、改善せず!やべぇ、レトロPCをさんざん募集しておきながら、自分のX68だけ
不動品を並べるオチなのか?
2013年6月2日(日)
このまま万事休すなのかと思われたが、そういえばうちにはInside/OutsideX68000があることを
思い出した。引っ張りだしてきたら初代の回路図がある。
…まあだからってすぐに読めるほどスキルはないんだけど。
もうちょっと頑張る!あとモニターの方を先に手を付けようか考え中。
2013年6月5日(水)
イベント準備で、68をいじる時間の方がなくなってしまいました。無念。
6月8日当日は「初代X68000ここまで直しましたバージョン」を展示致します。
またこの68本体ですが、読者の方のご指摘にもありましたが、他の初代の中古を
仕入れて、ニコイチ、サンコイチとかでも直します。
そうじゃないと本体を貸して頂いた方に申し訳がたたないです。
またこの特集ページですが、イベント後も続きます。直るまでやります。
初代とACEは2次電池のバッテリーによる腐食の問題で、実際に動く機体はかなり少ないと思います。
(このバッテリーは68に限らず、当時の88などにも用いられ、問題を引き起こしているそうです)
せっかく各機種ミックスのイベントなので、本体とモニターの修理は機種を問わず
扱って行こうと思います。
2013年8月19日(水)
とりあえず現状まとめ
- 初代の電源は外すのは面倒だったが、修理は完了。
- 2次電池周りの腐食が激しい。
- それ以外の部分も壊れている可能性あり、故障部分の特定が必要。
いわゆるドツボでしたね。回路図もあるので何とかなりますが、配線追ってたらいつになるのやら。
ということで、ニコイチ作戦、開始〜!オクでジャンクをあさって、使えそうなものと入れ替えます。
計3台を入荷、ジャンクでしかも初代となると1000円台で買えます。送料の方が高いかも。
ついでに完動品の030やジャンクのEXPERT IIもぽちってしまったけど、それはおいといて。
2013年8月24日(土)
この、すぐに日付が4〜5日飛ぶクセはなんとかしたいんだけどな。
今度は肺炎でした。マイコプラズマじゃない普通の細菌性の肺炎で入院の必要はないけど、
しばらくは安静にしてろって。言われなくても熱が38℃出たら寝るしかないし!
なんとか36℃台まで下がってきたので、作業再開。まず引っ掻き集めたジャンクの状態確認をします。
…ん、電源が入る?画面が出る?ひょっとして動くんじゃね?
さすがにフロッピーを入れたら認識されなかったので、完全体ではないのでしょうが内部チェック。
右タワーのフタをかぱっとな。…中身が違うし。
K様の個体にあった黒いテープでぐるぐる巻きにした怪しいケーブルの束がありません。
ひょっとして下基板のジャンパ線も飛んでないパターンか?
すぐ明るい方向にものごとを考える私は、「こいつは電源だけ治せば使えるのでは?」と思ってしまいます。
まあ2次電池周りの様子にもよるんですが。
電源をK様の修理済み電源に差し替えて、スイッチON!
イジェクトも出来なかったドライブに入っていたのは沙羅曼蛇のディスクだったようです。
普通に起動しました。細かな動作確認はまだ必要ですが、ゴールにかなり近づきました。
ていうか今までの数ヶ月はなんだったの状態。まあ結果オーライで良いとするしかないか。
やっと一台、修理のメドが立ちました。前回のイベント時に別に2台を預かっているので、そちらの修理も
ようやく手がけることが出来そうです。…ほんとどれか1台は動いてくれないと、リファレンスがないので
修理も手探りでした。さて、元気出してどんどん行こう。
2013年8月25日(日)
勢いがついたところで連続更新。初代を組み直しました。電源は修理した上で、あとはほぼ
使えそうなパーツを各ストックから集めるだけで完成!んー、ニコイチ祭りだ。
腐食の心配がある2次電池も(実際周りはすこしやられていた)交換して起動OK!
ジャンクに刺さりっぱなしだった沙羅曼蛇とシステムディスクの読み込みをFDD0,1で確認。
これにて初代本体の修理はようやく完了となりました。
…しいて言えば、お預かりしているキーボードの洗浄作業かな?あと横一のモニターも治さないと。
技術的課題としては部品交換はすぐ出来るのですが、パターン断線の検知、その修復など、
まだまだな部分は多いです。精進しないといけないです。
とりあえずひと段落ということで、今後は修理作業を他の68へも展開していきます。
まずはお預かり中のXVIと初代ですが、需要が多いのはやっぱり030かな?進歩あるのみ。
その2:X68000XVI編 2013年8月30日
では次の患者さん行ってみよう!レトロエクスプレス1号に出展頂いたA様からの
預かりもののXVIです。なんでも数年前に電源から異様な臭いがしたため、すぐに使用を止めて
それ以来使っていないとか。
とても綺麗な外観です。大事に使われていたのでしょう。さっそく開けてみましょう。ぱかぽん。
電源はEXPERTから030まで共通のSH4電源です。中の様子は…おわ!
ちょっとすごいホコリ。たぶん壊れるまでずーっと長時間稼働していたのでしょうね。
あけてもあけてもホコリしか出てきません。ブロワーとかでぶっ飛ばしたいところですが、
私の喘息が再発してもイヤなので、今はただひたすら電源を救出することを目指します。
これが取り出しに成功したSH4電源。問題は中身だぜ〜。
私の撮影技術が未熟なため、この迫力が伝えられないのが残念ですが、ちょいちょいすごい状態です。
ホコリはもちろん、電解液とおぼしき茶色い液体が基板上のあちこちにべったり。さらにこの写真では
見えませんが、ツェナーダイオードZD31が黒こげになっています。こんなの治るの?
とにかく作業開始。TP100で電解コンデンサ、周りの抵抗、フォトカプラなども外します。
かなりな状況なので、全てを取り替えたいところではありますが、代替部品が見つかるとも限らないので
ある程度のところは我慢せざるを得ません。
古い部品を取っ払ったところで、基板を徹底洗浄します。ふいても落ちないところは歯ブラシでがしがし。
洗浄は基板を痛めないよう無水エタノールを用います。フラックスクリーナーも併用してみました。
裏側も同様。写真が残っていませんでしたが、まっ茶色です。泥の中に放置してたのかってくらい。
同時に古い部品の型番をチェック。コンデンサや抵抗はまったく同じ容量が入手できなくなっている
ことがあります。特にコンデンサの静電容量や、抵抗の定格電力。
ないものは、容量、耐圧を少し上げて対応します。あんまり大きくしすぎても今度は電源ケースに
入らなくなるので、そこそこに。
問題がフォトカプラやトランジスタ。もう作ってない、いわゆるディスコンですね。店頭在庫が残って
いる場合もありますが単価が高かったりするので、これもネットで同等品、代替品を探します。
とりあえずこんな感じかな。(あとになって追加した部品もあります)
まず、コンデンサ編。温度指定はすべて105℃、C9は秋月、あとはRSコンポーネンツで発注しました。
位置 |
容量(μF) |
耐圧(V) |
メーカー |
単価(円) |
C9 | 470 | 200 | ルビコン | 350 |
C24 | 1000 | 25 | 日本ケミコン | 36 |
C25 | 1000 | 16 | 日本ケミコン | 35 |
C27 | 220 | 25 | 日本ケミコン | 20 |
C28 | 100 | 16 | 日本ケミコン | 60 |
C31 | 100 | 16 | 日本ケミコン | 60 |
C33 | 220 | 16 | 日本ケミコン | 70 |
C34 | 100 | 16 | 日本ケミコン | 60 |
C35 | 10 | 50 | 日本ケミコン | 29 |
C38 | 3.3 | 50 | 日本ケミコン | 11 |
C40 | 6800 | 16 | 日本ケミコン | 109 |
C41 | 6800 | 16 | 日本ケミコン | 109 |
C42 | 2200 | 10 | 日本ケミコン | 38 |
今更書いておきますけど、手書きメモからの転記ミスとかもあるかもしれないので、この記事の
内容は無保証です。
ほんとは全部日本ケミコン品で揃えるつもりでしたが、C9だけ単価が高かった(500円以上)
ので、ビビってルビコンにしました。ルビコンは長野にあるコンデンサメーカーです。
また単価ですが、10個とかのまとめ買い時の値段です。RSコンポーネンツはイギリスに本社があって
世界中にネットワークがあるため、一流品からアレゲな品までなんでもそろいます。非常に便利では
ありますが、コンデンサや抵抗のような単価の低い部品はちょっと数をまとめないと売ってくれないので
注意です。単価はもちろん変動するので、ご留意下さい。
コンデンサのグレードは電源出力平滑用であるKYもしくはLXZシリーズを中心に購入しましたが、
別に必ずしも電源用を使わないといけないということはないと思います。今でこそネットでこうして
お皿も持ち歩かずに部品が簡単に手に入りますが、昔は秋葉原中を訪ね歩くだけでも大変なものだと
思います。当然グレードなんてあんまり言ってられないわな。
お次は、抵抗。抵抗なんて普通へたらないだろと思ってましたが、そうでもないみたいです。
故障時に定格以上の電気を食らうこともあるかもしれません。とりあえず、以下を交換。
位置 |
抵抗値(Ω) |
定格電力(W) |
単価(円) |
R22 | 2.7k | 1/4 | 24 |
R23 | 2.7k | 1/4 | 24 |
R24 | 470 | 1/4 | 24 |
R33 | 100 | 1/4 | 24 |
R34 | 100 | 1/4 | 24 |
R35 | 3.3 | 1/4 | 28 |
R37 | 1k | 1/4 | 24 |
R38 | 1k | 1/4 | 24 |
R39 | 470 | 1/4 | 24 |
R40 | 2k | 1/4 | 24 |
R41 | 10 | 1/4 | 24 |
R56 | 5.6k | 1/2 | 24 |
R58 | 7.5k | 1/4 | 24 |
R98 | 2.2k | 1/4 | 24 |
定格は純正は1/6Wが多いですが、ちょっと余裕を見て1/4Wにしました。
抵抗も色んな種類がありますが、金属皮膜抵抗を選択しております。
ちょっと高いなと思われる方もおられるかも知れません。100個単位とかで買えば
もっと安くなるとは思いますが、あまり在庫を抱えても大変なので、少量買いにしています。
最後にトランジスタやフォトカプラ、ツェナーダイオードのまとめたもの。
位置 |
部品 |
単価(円) |
Q31 | 2SC2335 | 82 |
Q32 | 2SC1815 | 17 |
Q33 | 2SC1815 | 17 |
Q53 | 2SC1815 | 17 |
ZD31 | 6.8Vツェナー | 7 |
ZD32 | 5.6Vツェナー | 7 |
PC31 | TLP521-1 | 42 |
PC51 | TLP521-1 | 42 |
PC52 | TLP548J | 263 |
あとはしばし待つべし。
2013年9月1日
RSコンポーネンツ様から荷物到着。翌日配達は伊達ではない。
朝っぱらから作業開始。…あれ、ツェナー5.6Vを買ったつもりが、また6.8V買っちゃった。
あほかいな〜。再発注。その他の部品実装は済み。
時間が空いてしまったので、M様預かりの初代の修理にかかる。さくさくっとばらして
分解し、電源を取り出してフタを開けて、中の電解コンデンサとフォトカプラを取る。
時間にして1時間弱。やべえ、業者だ(笑)。
このコーナーの始まりの頃はおっかなびっくりで
メモを取りつつ、写真で場所を記録しつつ、ネットで情報を調べつつやっていたのが、
2回目からはおそろしく事務的に処理できる。電源だけならフタ開けて部品変えて閉じるまで
1時間弱でできそう。あとは他の部品かな。FDDや他の基板が壊れていると厄介なので
そこは中古のストックを持っとく感じなのだろうか。この辺はもうちょっとレベル上げたい
ところ
別に修理業者になる訳じゃないけど、サラリーマンクビになったらこの副業もいいかもしれない。
あとは030とかの面コン対応と、モニターの修理かな。68の場合、XPC-4が使えるので、
基本的にはいらないと思うんだけど、CZ-600DEはデジタルRGBも拾えるので、特に他機種に
おいて結構使い道あるかもしれない。まあ、それにしたって今時ブラウン管修理じゃ食えない
職業ではあるけど(笑)。
ツイッターでも告知しましたが、030やコンパクトなど、いわゆる面コン系の壊れた68を
持っている方を募集しております。お貸し頂いて修理記事のネタにさせて頂ければ、
修理代は不要です。いわば実験台用の献体ですが、必ず治るまでやります。
お待ちしております。
2013年9月3日
現状(中間)報告。とりあえず部品が届いたので、交換しました。
結果。
バラック状態ですが、とりあえずは動きました。FDD0,1ともに良好です。
電源以外は死んでいなかったので、一安心。
ただまだ問題があり、前の電源スイッチが効きません。主電源を入れると
本体電源も入ってしまう状態です。
原因特定のために、電源単体の動作を見てみます。本体につながっている6ピンの端子の
うち、2番(GND)と6番(パワーコントロール)を短絡すれば、電源が落ちるはずです。
…が、落ちません。タイプは違うものの初代やACEでは短絡すると落ちるので、おそらく
この辺に原因がありそうです。6番端子はフォトカプラPC31につながっているので、
その周りの抵抗などを調べましたが、すでに交換済みでした。残るはダイオードD33くらい?
ツェナーダイオードは大抵変えてしまいますが、ダイオードって壊れるんだっけ?
…まあ、抵抗が壊れるくらいなので、壊れても不思議ではないですが、んー、んー。
もう抵抗とダイオードも総とっかえする?
もうひとつ問題。主電源を切ったときに「キュッ」と音がします。これは何だろう?
手持ちの030ではそんな音がしません。やっぱり何かが治っていないのだろうか…。
てなところで、ちょっと頭を冷やすことにします。このSH4電源が治れば救える機種が
さらに広がるので何とかしたいですが、あせってもしょうがなし。