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【モータースポーツ】

【今宮純の目】ドライバー全員が認める最もきついGP 「今宮純の直前展望」シンガポールGP編

2013年9月20日 9時1分

開幕前日のシンガポールGPピットレーン。各チーム準備に大わらわ(カメラ=柴田久仁夫)

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 第13戦シンガポールGPを迎え、F1も終盤戦に突入。ベルギー&イタリアを制したセバスチャン・ベッテル(26)が勢いに乗って、最もきつい戦いに乗り込んできた。モノにすれば4連覇へさらなる弾みがつく。

     ◇     ◇     ◇

 今大会から韓国〜日本〜インドと続く「アジアラウンド」初戦は海沿いの公道ロングコースで、現地夜8時スタートのシンガポールのナイト戦だ。高温多湿の当地はドライバー全員が「年間で最もきついレース」と認めている。コースの一部がけっこう暗い。人工照明はまずまずだが、周囲にホテルや高層ビル群がないエリアではその街明かりがない。動体視力に優れるドライバーも一瞬の反応が遅れ、接触や追突数は多い。路面もモナコやカナダ・モントリオールに比べると粗く、複雑に通りをつないだ5.065kmのレイアウトなので舗装が次々と変わってマシンのグリップ感やバランス感も変化、おまけに凹凸も多く、コックピット内での衝撃や振動もきつい。

 昨年は2度のセーフティーカー出動によって61周をカバーできず、59周で2時間打ち切りとなった。1位ベッテルの優勝タイムは2時間00分26秒144、平均スピード149.043km/hレースは同シーズン中、最も長く過酷な夜のサバイバルゲームと化した。11年に当地で初勝利を上げているベッテルの優勝タイムも1時間59分06秒757でスタート前の時間を含めれば、2時間半もコックピット内にいたことになる。

大きな観覧車が目立つシンガポールGPのパドック。まるで遊園地のよう(カメラ=柴田久仁夫)

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 08年アロンソ、09年ハミルトン、10年アロンソ、11&12年ベッテルが優勝。昨年は、PPこそハミルトンだったが、予選2番手だったマルドナド(ウィリアムズ)のパフォーマンスに目を奪われた。新人時代から公道コースに強いドライバーでマシンが決まれば、滑りやすいコーナーでも素早い方向転換テクニックを見せる。当コースはグリップレベルが前周回と比べ急激に変化することがあり昨年は予選Q3までトップだったベッテルをハミルトンとマルドナドがこの「滑りのコントロール技」で出し抜いた。

 さて、タイトル争いはランク首位のベッテルが同2位アロンソに53ポイントの差をつけている。最後の抵抗をみせたいアロンソは昨年、低速コーナーからの立ち上がりでマシンが後れを取ったため予選5番手、決勝3位に終わった。23という迷路のようなコーナーがある当地だけに、今年はきっちりとセッティング(車体調整)を決め、スローコーナーを攻略して最後の抵抗といきたいところ。アロンソが踏ん張るか、ベッテルが一気に制するか。タイトルへの勢いを決める一戦となりそうだ。

 

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