2013.9.20

■ 管理不能なこの国:福島原発事故現場 ■

日本経営学界を解脱した社会科学の研究家 @ 08:56:36 ( 政府高官の行動把握 )

 ◎ 演技で汚染水漏れはないなどとフィクション創りに専念するこの国の首相 ◎

 【それでも汚染水は漏れつづけている】

 ① 福島原発事故現場汚染水漏れが control できているなどと,
    一国首相としていまだに uncontrollable な,不可解かつ不自然な発言


 先日の『朝日新聞』2013年9月13日朝刊「社説」は,「除染・賠償 避難者に判断材料を」という題名をかかげて論説していた。その最後でこういっていた。「汚染水問題などの混乱がいつまで続くのかも,避難者の判断を左右する。政府は避難者の視点に立って,それぞれの課題に向き合わねばならない」。同じ日の投書欄には「汚染水処理に関しては,東京電力から国に主導権が移った。今後,こうしたデータが国に都合が良いように恣意的に運用されないよう注視したい」という意見が寄せられていた。

 ところが,本日〔9月20日〕の朝刊を開くとこの1面には,この国の首相の「悪い冗談ではないか」(!?)と,目をおおいたくなるような「見出し」の記事が出ていた。安倍首相が福島原発事故発生現場に出向いてみせた「演技(パフォーマンス)」が事実報道されている。彼は,2020年東京オリンピック招致委員会の演説でも,福島原発事故現場で汚染水は「ダダ漏れしている状態なりに,under control されている」などと,詭弁にもなりえないような虚言を吐いていた。今回もそれと同じか,それ以上に彼は,根拠も理由もなにもない「口先ばかりの原発事故現場収拾〈虚説〉」を振りまいている。

 こういう人間であるから,きっと「ウソもなんどでも繰りかえしていいつづけていれば」「これが,事実にでもなる」と信じているらしい。だが,実にバカらしい政治的な演技を,それも明らかに「周囲を欺瞞する強い意図」を抱いて,そうした行動を演出している。これがふつうの冗談でなければ,じつは日本国民全体を暗愚視した〈まやかしの政治姿勢〉の発露だというほかない。

  ☆ 安倍首相,再び「汚染水ブロック」 海へ流出続くなか 福島第1視察 ☆

 安倍晋三首相は〔9月〕19日,東京電力福島第1原発を訪れ,放射能汚染水漏れの現場を視察した。首相は視察後,汚染水の影響が一定範囲内で「完全にブロックされている」との認識をあらためて示した。ただ,汚染水の海洋流出は続いており,「ブロック」の実態について論議を呼びそうだ。一方,東電は首相の要請に応じて5,6号機を廃炉にし,1~4号機の廃炉作業を進めるための研究,技術開発施設に衣替えする方針だ。

 首相は免震重要棟で作業員を激励後,汚染水が漏れたとみられる貯蔵タンクや放射性物質除去装置,汚染水の拡散を防ぐため港湾内に設置された幕(シルトフェンス)などを視察した。首相は視察後,記者団に対し,7日の国際オリンピック委員会(IOC)総会での東京五輪招致演説と同じ表現で「汚染水の影響は(港)湾内の 0.3平方キロメートル以内の範囲で完全にブロックされている」と改めて強調。「福島への風評被害を払拭していきたい。汚染水処理についてはしっかりと国が前面に出て,私が責任者として対応したい」とも語った。

 首相は視察中,東電の広瀬直己社長に対し,停止中の福島第1原発5,6号機の廃炉を決定する,廃炉に向けた資金を確保する,期限を区切って貯蔵タンク内の汚染水の浄化にとり組むの3点を要請。東電は5,6号機の廃炉を年内に決めるほか,さらに1~4号機を含めた廃炉費用の積み増しなどで1兆円を確保。タンク内の汚染水浄化は2014年度中に完了させる方針だ。

 首相はIOC総会での演説で「状況はコントロールされており,東京にダメージは与えない」などと述べていたが,13日に東電フェロー(技術顧問)が「いまの状態はコントロールできていない」と発言するなど,実際に事態が制御できているかが焦点になっている。一方,東電には5,6号機の廃炉で新たに2千億円規模の損失が出る。これと合わせて東電には2013年度から10年間で,少なくとも毎年1千億円規模の新たな負担が生じるとみられ,将来の電気料金の再値上げにつながる可能性もある。
 註記)『朝日新聞』2013年9月20日朝刊1面。

 以上,安倍首相が5号機・6号機を廃炉を口にしたのは,いかにも脱原発の姿勢が自分にもあるかのようにみせるための,演技そのものである。いまさら,この5号機・6号機を廃炉にする方針を東電側に認めさせたところで,日本における原発問題の現状・課題になにか画期的な変化が生まれるわけでもない。庶民の目先をごまかすような政治演技だけしか感じとれない。

 ② それでも漏れつづける汚染水問題

 ところが,同じ新聞朝刊の2面に移ると,論調がまったく異なる紙面になっている。これは完全に安倍首相「批判」である。「実態なき『ブロック』 汚染水『影響は港湾だけ』安倍首相は明言 福島第1視察」という見出しの記事である。安倍首相はそもそも,いかなる根拠・理由があって under control の状態にあると,福島原発事故現場の「汚染水漏れ」に対して発言しているかといえば,要は「ダダ漏れしている状態」なのだけれども,それなりに「管理されている」(?!)といいたいのだろう。だが,こうした発言・姿勢は,福島原発事故現場における汚染漏れの実情をまともにしれば,仮に詭弁でないとしたら,もはや正真正銘の〈真っ赤ウソ〉である。

   

 首相が福島原発事故現場で汚染漏れを視察しにいって,それなりにモノをいえば, uncontrollable なこの現場が under control のほうに一挙に変更できる,とでもいえるような見込が立つわけでもない。現状においてはなお,なにも変わらず,なにも動かせない現場の実態のなかに自分が飛びこんでいって,「事実から遊離した」「汚染水は漏れているなりに管理されている」などといった,世を惑わす政治的な演技,口舌のまやかし行為は,ほどほどにしたほうがよい。

 つぎに引用するその「2面」の記事を読んでもらいたい。繰りかえしていうが,この記事は全面的に「安倍首相の発言(under control)」を否定している内容である。

 安倍晋三首相は9月19日,汚染水対策への姿勢をアピールしようと,東京電力福島第1原発を視察した。5,6号機の廃炉も要請し,政権が原発事故処理の前面に立つ姿勢を強調したが,汚染水は薄まりながらも外洋に流れ続けているのが実態。現場の作業にかかわった人などからは批判の声が上がった(▼1面参照とあるが,で触れてあった)

 -1「福島第1を視察,重視の姿勢強調

 「厳しい業務だが,日本の未来は皆さんの双肩にかかっています」。首相はこの日の視察で,作業員らをこう激励した。首相の視察の中心はまさに「汚染水」。放射能に汚染された水が漏れたタンクや,汚染水から放射性物質をとり除く装置(ALPS)などをみてまわった。首相は海水の行き来を抑えるため港湾内に張られたシルトフェンスをみたさいは,東電側から「(放射性物質の数値は)港の外に出ると,ほとんどもう検出限界以下という状況です」と説明を聞き,「 0.3(平方キロメートルの範囲)は(どの辺りか)?」と質問。海をみつめる場面もあった。

 首相は視察後,「影響が完全にコントロールされているか」と記者団から問われると,「汚染水の影響は湾内の 0.3平方キロメートルの範囲において完全にブロックされている」。7日の東京五輪招致演説で使った言葉を繰りかえした。首相はこの演説で「状況はコントロールされており,東京にダメージは与えない」と表明。国際オリンピック委員会(IOC)委員を安心させ,東京五輪を勝ちとる一因となった。「国際公約」ともいえる言葉だけに,首相は同じいいまわしで認識に変化がないことを強調。視察は「当初から決まっていた」とも語り,汚染水問題がクローズアップされてから組んだ日程ではないことを説明した。

 ただ,首相が使う「汚染水の『影響』をブロック」という表現は,放射性物質がシルトフェンスを通って外洋に流れ出て薄まり,数値が検出されていない状態を指している。仮に数値上の影響はないとしても,同原発の港湾の内外で汚染水を含む海水が出入りしていることは政権も「全部の水をストップするということではない」(菅 義偉官房長官)と認めており,今後も流出が続く場合,表現として使い続けることが適切かどうかが問われそうだ。

       
   出所)左側画像は,http://plaza.rakuten.co.jp/syuraku036/diary/201209260000/
      カルタに絵かがれた安倍晋三の似顔絵。日本全土を土足で踏みつけにしている,という印象あり。
      この漫画絵は石原慎太郎にも煮ている。どちらかというと,「安倍晋三プラス石原慎太郎」割る
      ことの「2程度」の出来ばえに感じる。
   出所)右側画像は,http://yaplog.jp/ar125/archive/4624

 一方,首相はこの日,5,6号機の廃炉や,貯蔵タンク内の汚染水の浄化に取り組むことなどを広瀬直己・東電社長に検討するよう要請。広瀬社長から「廃炉費用に新たに1兆円を確保し,汚染水浄化は2014年度中に完了させる」との言質を引き出した。ただ,首相が「前面に立つ」といい切った以上,汚染水問題の長期化が避けられない情勢で,さらなる国費投入はやむをえないとの声は政権内にも広がりつつある。首相周辺は「除染も中間貯蔵も国がやらなければいけない状況になる」と,コスト増は不可欠との見方を示した。閣僚経験者は「国の財政にも大きく関わってくる問題だ」と懸念する。

 野党側は今後の国会審議で政権を追及する構えで,政府高官は「問題が長期化した場合にどうするか。たしかに課題だ」。対応しだいで政権のアキレス腱になりかねない。

 ■-2「タンクからの噴出見た」-組み立て従事の男性語る-

 「現場のなにがわかって,ブロックやコントロールといっているのか」。福島第1原発で汚染水をためるタンクの建設にかかわっていた男性は,「完全にブロックされている」と繰りかえす首相に納得できない。ある日,タンクから汚染水が噴き出している様子をみた。水しぶきを浴びながら,防護服の上にカッパを着た関係会社の社員がボルトを締めていた。別の日にも,水が噴き出す光景をみた。だが,いずれの出来事も発表されなかった。

 「東電ににらまれないよう,関係会社が漏れを止めてタンクの不具合をごまかしたのだろう。東電の発表以上に,汚染水は漏れていたのでは」と推測する。男性はタンクの鉄材の接合部にゴム製パッキンを挟み,ボルトを電動ドライバーで締める作業を担当していた。数人で1基を組み立てるのに数日かかった。「しるかぎりでは,タンクをつくった経験のある作業員はいなかった。沖縄や北海道など福島県外出身者が多く,出入りも激しかった」と振りかえる。

 a) 食事をする休憩場所も,放射線量は高かった。作業終了後の放射性物質の検査では,頻繁に機器の警告音が「ピーピー」と鳴った。夏でも防護服を着こむため,「熱中症の一歩手前」になり,手足が震えた。「人間のやる仕事じゃない。作業員はこのままじゃもたねえ。首相も,現場で1日働いてみれば現実がみえる」。

 b) 9月26日にも試験操業を再開する相馬双葉漁協。佐藤弘行組合長は「(首相は)まったくわかっていない。『汚染水は現在も海に流れているが,幸いにも水揚げする魚や沖合の海水は汚染されていない』と正確にいわないと,消費者には信じてもらえない」と批判した。
 出所)写真は佐藤弘行組合長,http://www.suikei.co.jp/・・・,より。

 c) 福島県沿岸部にあり,避難指示区域を抱える自治体の首長も憤りを隠さない。南相馬市の桜井勝延市長は「汚染水をコントロールできているなどと誰も信じていない。バスに乗ってやってきて,一瞬だけみてなにが分かるのか」。双葉町の伊沢史朗町長も「いまも避難生活を続ける人びとをみて,事故が収束していないという実感をもっともってもらいたい」と突き放した。

 d) 浪江町の帰還困難区域から県内の仮設住宅に避難している石井啓輔さん(70歳)は「視察はただのパフォーマンスだ。コントロールされていないことを,自分の目でたしかめたらいい」と話した。

 ■-3「外洋で薄まり不検出/フェンスを出入り

 安倍首相は19日,汚染水の影響は港湾内で完全にブロックされていると改めて強調した。しかし,汚染はブロックされていない。外洋の海水の放射性物質はほとんどが検出限界値未満だが,単に薄まっているに過ぎない。政府によると汚染地下水は1日300トン港湾内に流れ出ている。港湾の出入り口は開いており,港湾内の海水は,1回の潮の満ち引きで約2割が外洋の海水と入れ替わっている。

 気象庁気象研究所の青山道夫主任研究官(海洋化学)は,1日あたりセシウムが300億ベクレル,ストロンチウムが300億ベクレルの計600億ベクレルが外洋に流れ続けていると試算する。放射性物質は自然に時間とともに一定の割合で減っていく性質がある。しかし,東電などの観測データでは値が減っていかない。600億ベクレルの放出がないと計算が合わないという。離れた所で検出できないのは,外洋に広がって薄まっているためとみている。

 港湾内では現在も,セシウムやストロンチウムが検出されている事故直後の2011年4・5月,事故で溶けた燃料を冷やすことで出た高濃度の汚染水が坑道を通じて流れた。その際に出た放射性物質が検出されたとみられる。東電はその対策として2011年4月,港湾内にシルトフェンスと呼ばれるポリエステル製の厚さ 0.5ミリの幕を張り海水の行き来を抑えた。しかし,フェンスは 0.02~0.03ミリの小さな穴が網目状に開き,水や細かい泥が行き来する。放射性物質を完全に封じ込めることはできない。

 安倍首相が「ブロックされている」という根拠となる外洋の放射性物質の測定方法についても,専門家が問題点を指摘している。13日にあった原子力規制委員会の海洋モニタリングの検討会で,専門家から試料のとり方や分析手法などがバラバラと指摘された。「同じ場所でも10倍違ってくる」「分析の方法が旧態依然だ」。東電や福島県,環境省,原子力規制庁などが福島第一原発から半径20キロを中心に,200~300カ所の海水や海底土を調べている。規制委の中村佳代子委員は「正確で信頼できるデータのとり方をしないといけない」とし,改善する考えを示した。

 規制委も近く,新たに原発の東20キロ,南北50キロの海域で海底土の調査をする。東京大学のグループが開発した機器を船からワイヤでつないで海底におろし,移動しながら土の放射性セシウムの濃度を測る。1メートルおきに計60万カ所を調べ,今年度末までに結果をまとめる。

 --要は, の報道内容はまるで対立・矛盾する内容を報道している。1面は安倍首相の行動をそのまま事実報道しているが,2面のその行動が無意味に近い事実を正直に指摘している。

 本日〔2013年9月20日〕,NHKラジオ第1(午前6:43~午前6:55)に出演した藤原直哉は,いま世界中が日本の福島原発事故現場に注目していること,オリンピックで平然と虚言を吐いた日本国首相の責任が,世界中の冷たい視線に囲まれていること,しかも国内のわれわれがそれをよくしらないことに触れ,現状はあたかも太平洋戦争末期の日本帝国か崩壊寸前のソ連邦みたいな状況だと批判していた
 出所)写真は藤原直哉,http://www.onitama.net/modules/ot/index.php?content_id=29

 ③ 世界の福島原発事故現場に向けた報道-「安倍は狂っている。本当にこんなことをいったんだ!」
    「とんでもない事態になった」という記事などから


 a) 安倍氏になにが起きているか。まずひとつは,現実を正確に認識できない状態になっている。都合のよい報告をうのみにして現実:事実を正確に認識できていない。ふたつめに,世界の誰もができない除染と事故終息を7年後に終わらせるといって,なにがなんでもオリンピックをもってこようとしている(コメント:招致には「成功した」が・・・)。これは狂気だ。狂ってるから首相ができる。狂っているからオリンピックを誘致できる。もう現実を正しく認識できない世界である。

 b) 「『自信あるからいった』,汚染水漏れ対策で安倍首相」。だが,福島第1原発の作業員:「ハッピーさんのツイッター」は「やはり収束のめどはたっていない」と伝えている。安倍は狂っている。本当にこんなこと( ← under control のこと)をいったんだ!」

 c) 明確な英語情報としてたとえば,外国のメディア(CNBC;アメリカの大手ニュース専門放送局)が,こう報道している。「とんでもない事態になった」。カナダの新聞いわく,福島原発の懸念が続いているにもかかわらず,IOCは東京のオリンピックを認めた。安倍首相の東京は安全だという訴えに対して,英国の原子力の専門家が反論している。「東京の大気には大量の放射能が含まれている」「ホテルに泊まるときにはエアコンのフィルターを新品に変えさせよ」。「2011年の発災以来,われわれは日本政府のいうことを鵜呑みにはできない」。

 d) 米国CNN(ケーブル・ニュース・ネットワーク)いわく,「安倍氏は効果のある除染を約束した。そんな方法があるとは,日本政府も東電も世界もまったくしらない」。9月7日付のフランス・ルモンド紙は「福島の状況を2分で理解する」などといい,ロイター電も,安倍氏の発言を言質のように太字の見出しで,こう紹介している。「日本の安倍首相はIOCに対して,福島の放射能漏れは管理下にある。健康上のリスクはまったくないと確約した」と。

 e) 東電がオリンピックに合わせて英語のメッセージを出している。この最後のところは,いったい,どういう意味か? 「汚染は影響ない。オリンピックに関係ないというメッセージをずっと前から準備していたと読むのかね・・・」。やはり,なにも「いわぬが花」?

 “We had long prepared for the message as there was a concern in other countries over the leak of contaminated water,the spokesman said. “It’s nothing to do with Olympics.”

 ヴォックスメディアとパートナーシップを組むサイトは,こう指摘する。「東京は福島の放射能を『完全にブロックする』と確約して,2020年東京オリンピックを招いた」。インターナショナルビジネスタイムズ紙は「福島の放射能放出が続くなかで,チェルノブイリの状況に近づいてきた」と指摘する。英国テレグラフ紙は「アスリートと訪問者の最大の懸念は北方 155マイルにある福島原発から流れてくる放射能だった」と心配している。

  
  出所)http://www.aikido.co.jp/_src/sc1393/SCN_0038.pdf
     『北海道新聞』2012年8月4日夕刊。放射線管理区域とは,われわれも病院に
     いったとき,みたことがある管理区域のことである。そこには,出入り口など
     に原子力・放射線のマークが掲示されている。
 
 f) しかし,安倍首相は力強くこの懸念を払拭した。「状況は制御下(under control)にある」「新聞の見出しでなく事実をみてほしい」「東京2020を保証してお届けします」。「アチャー・・・」(これはヒドイ! という形容)

 「しかし今回のオリンピック東京招致は,東大話法を英語にしたときになにが起きるかがよくわかる舞台でもある」(なお,安倍君は東大卒じゃないが,この話法は駆使できるのか?)。「これから7年間,東大話法を聞かされて外人がどう思い,どう判断するか。これは大変興味深いことである」。「政治の関係者はよくご存知だと思うが,安倍氏は昔からこうやって上機嫌になってペラペラ余計なことをしゃべる癖がある」。「今回それが東京招致の決定的要因になってしまった。あとは東大話法で言い訳をするしかない」。

 g) オーストラリアのヤフー7ニュースは,こう伝えていた。「安倍首相はIOCに福島の状況は「制御下にある」といった。南米のメルコプレスは,「安倍首相はいった」「状況は制御下にある」と報道した。安倍首相がいうことには,「これまで東京にダメージはなかったし,これからもまったくない」コメント:福島はどうでもよいらしい!)。「汚染は完全にブロックされている。「健康問題は今までなかったしこれからもまったくない」コメント;問題はこれからいくらでも出てくる。疫学的に考えねばならない重大な医学的問題が,これから将来に発生してくることを無視できない)

 とはいっても,外国の報道機関は「全部お見通しである」。「安倍首相の発言の紹介に続いて,東電は発災以来大量の放射能汚染水が太平洋に漏れていることを認めている」事実をとりあげており,「最近の汚染水漏れは汚染水の量が手に負えなくなっているという不安を与えるものであると書いて〔も〕いる」。

 h) オーストラリアABCニュース。--オリンピック招致委員会の演説で「安倍首相はいった」。福島原発事故発生現場の「状況は制御下にある。これまで東京にダメージはなかったし,これからもまったくない。まったく問題はない。汚染は完全にブロックされている。健康問題はいままでなかったしこれからもまったくない」。「それを力強く明確に述べると」「IOCのメンバー(複数)には安倍氏の答えは決定的だった」「そして不安を払しょくするのに役立った。われわれはそれを聞きたかったし,聞く必要があった」コメント:という茶番劇が展開されていた〕。オリンピック招致委員会では,そうして,安倍氏の発言が決定的な答えになった。伝えている。

 そして,このニュースはメルコプレスと同じ東電の記事をも載せている。だが,福島原発事故発生現場について「いったいどういいわけするのかね・・・」。「安倍発言にさっそく国内からも批判の声が上がっている」。「「汚染水めぐる首相発言に批判の声 福島の漁業者ら『あきれた』」(この批判については本ブログも,過日に言及していた)。

 i) 今回,皇室のメンバーがJOCに同行して支援し,〈安倍の虚言演説〉とともに東京招致を受けるために働いた。しかし,これは重大なことではないか。皇室関係者の行為が「オリンピック開催決定に対する御礼をすること」にはならず,招致が決まった決定的事実で首相が嘘をついたことに関して謝らなければならなくなるのではないか? だから,皇室を政治に巻きこんではいけないコメント;皇族も巻きこんで利用する価値があるのだから,この意見はキレイごとである。問題はそれほど単純ではないはず)

  ◎ われわれは,世界に向けて声を大にしていわねばならない。
  ◎ われわれは,首相がいっていることを嘘だと明確に認識している。
  ◎ われわれは,既知と未知の原発事故由来の危険に意図的に外国人をさらしたくない。
  ◎ 日本人がすべてが,日本政府や東電のような嘘つきではない。

 j) 海外のブログにこんな記事も出ている。「日本のリーダーはオリンピックを確実にするために露骨な嘘をついた」。「オリンピック競技者と観客を放射能由来のリスクから守るために,現在確立している物理的手法でできる唯一の方法は,オリンピックを汚染地で開かないことだ」。「あるいは1万年ぐらい先に開くことだ」。

 ドイツの有力新聞ツァイト。「東電は嘘をついた。福島の事故は隠され小さい規模にみせかけられた。そのため発電所の作業員たちが危険にさらされている」。ドイツの有力雑誌シュピーゲル。「福島原発の廃墟。水のドラマは10年は続くだろう。つぎからつぎへと起きる危機に東電の社員たちは立ち往生。東電はどうしてよいかわからない。外国の専門家が介入することになった」。
 出所)以上,http://www.asyura2.com/13/genpatu33/msg/474.html 参照。引用中に付記された註記類は割愛した。文章は読みやすくするために,適宜,加工・補修・編成した。

 以上,みごとなまで「語るに落ちた話」。この国においては,原発事故現場に関してのみならず,けっして under control されていない。目先の虚言を振りまく首相など,支配体制側のまやかしに,ごまかされていていいのか。

  ④ 福島原発事故による太平洋汚染

 くわしくは,末尾註記)のアドレスの文章と画像も読んで・観てほしいが,ここでは,それからとくに,下の画像を参照しておく。福島原発事故(2011年3月11日発生)に原因した,放射性物質による太平洋汚染状況の拡大過程については,右側の上下にその進展していく連続画像をかかげた。事故発生から4年後(2015年3月,予想)までの様子が紹介されている。なお,上から4コマめが下に紹介した画像と同一のものである。

  
   註記)http://kaleido11.blog.fc2.com/blog-entry-2309.html


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