「安倍総理は経済音痴なのか詐欺師なのかという議論」「原発再稼働にひた走る安倍政権 いくつかの欺瞞」ほか

「古賀茂明と日本再生を考えるメールマガジンvol059」 第1部 日本再生のためにより

2.原発再稼働にひた走る安倍政権 いくつかの欺瞞

その1:世界一安全という安倍氏の嘘

●原子力ムラの「能力欠如」

 最近の安倍政権の原発推進の姿勢にはただただ驚くばかりだ。

 安倍総理のゴールデンウィークの外遊は様々な話題を提供したが、中でも、トルコでの「原発受注」は衝撃的なものだった。

 福島第一原発の事故処理も終わらず、また、事故原因さえ不明なまま総理がトップセールスで原発を売り込むことは倫理的に許されない。安倍総理は「世界一の安全基準を満たす日本の原発」と言ったが、まだ新しい安全基準は出来上がっていない。

 しかも今提示されている基準の内容が欧米に比べて極めて後れていて不完全であり、総理の言葉はペテンだと言われても仕方がない。とりわけ、トルコ政府に対して、同じ地震国である日本だからこそ真に安全な技術を提供出来ると言っているのが、著しい虚偽説明に当たる。

 例えば、原発を輸出する三菱重工は、アメリカのサンディエゴのサンオノフレ原発で蒸気発生器から放射能を含んだ蒸気漏れを起こし、これが原因で原発2基が廃炉になることになった。廃炉による直接の損害は百数十億ドルと言われるが、もっと大きな事故になる可能性があったし、その原因もまだはっきりしていない。三菱重工は問題が生じるはずはなかったと言っているのだが、現に大きな事故が起きている。ここでも安全神話にまだ浸っている会社があることに驚かされる。そんな会社が作る原発を何故安全だと言えるのだろうか。

(略)

その2:原発輸出でもんじゅが蘇るという不思議

●原発導入には裏の目的がある

 途上国に原発を売り込めば、当然のことながら各国に使用済み核燃料が貯まる。核のゴミ処理には答えが出ていない。しかし、原発を導入する国の多くは実は、電力需要をまかなうためだけにこれを導入しているのではなく、その裏には核爆弾を製造する能力を身につけたいという野心をもっているところが大半だ。もちろん、原子力協定によって軍事転用は禁じられているが、それをいつまでも守るという保証はない。

 中東近辺では、インド、パキスタン、イスラエルが核を保有し、イランも開発を行っている。トルコをはじめどの国にも核開発の誘因はある。おそらく、各国が競って使用済み核燃料の再処理をやりたいと言い出すだろう。韓国も再処理を認めるよう米国に迫っていたが、つい最近、2年間はこれを諦めるよう、かろうじて米国が韓国を抑え込んだところだ。・・・・・・

その4:廃炉には外国企業の活用を

●アメリカの廃炉費用は日本の半額

 ところで、日本では、廃炉の技術が未確立だが、欧米では既にこの技術は確立されている。何故かというと、欧米は、過去において、科学的・技術的な知見の高まりに応じて、毎年のように原発の安全基準を見直し、しかも既存の原発にもそれを適用してきた(バックフィット)。その結果、当初の予定よりも早く廃炉にせざるをえない原発が多数生じたので、早くから本格的な廃炉が実施されてきたのだ。

 彼らによれば、廃炉はもはやそんなに難しいものではないという。しかし、日本では未だ廃炉の技術が確立されていない。そして、今、多くの原発が廃炉になる現実に直面している。

 そこで、提案だが、廃炉の際は必ず海外の企業を入れて公開入札をすればよいのではないだろうか。日経新聞によれば、廃炉費用は、米国では、日本の半分だという。このまま40年使い続ける原発であっても、いずれは廃炉になる。その費用は、結局消費者に回って来るのだから、2倍も高いコストのままつけ回しされてはたまらない。

 海外企業に門戸を開放するよう義務付ける法律を作るべきだ。

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