WRAPUP1 -新興国市場が上昇、米FRB緩和縮小見送り受け アナリストはキャリートレード活性化を予想
* トルコリラ、インドルピーは約2%上昇
* MSCI新興国株価指数は5月下旬以来の高値
* 新興国株式、米FRB緩和縮小観測台頭以来の下落をほぼ回復
* アナリスト、キャリートレード活性化を予想
[ロンドン 19日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が18日に予想外に量的緩和策の規模縮小を見送ったことを受け、19日の取引でトルコリラやインドルピーなどの新興国通貨が上昇、新興国の株価も上昇した。
FRBは17─18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で月額850億ドルの資産買い入れの規模縮小を決定するとの観測が高まっていた。このため新興国からの資金流出が続いていたが、FRBの決定を受け潤沢な資金供給は当面は続くとの見方から、高リスク資産や高金利通貨などに資金が還流した。
外為市場ではトルコリラ が約2%、インドルピー が2%を超えて上昇。株価も上向き、MSCI新興国株価指数 は2%を超えて上昇し、5月下旬以来の高値を更新した。トルコの主要株価指数 は一時7%高、ロシアのRTS指数(ドル建て) は4%高となった。
インドネシアの総合株価指数 は4%、インドのSENSEX指数(ムンバイ証券取引所に上場する30銘柄で構成) は3%、それぞれ上昇。南アフリカのTOP40株価指数 は2%高となり、過去最高値を更新した。
新興国株式は、年初と比べるとまだマイナス圏にあるものの、下落率は3%に縮小。5月に米FRBの緩和縮小観測が台頭してからの下落分はほぼ回復した。
新興国の債券市場も上向き、債務保証コストも低下した。マークイットによると、トルコの5年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は30ベーシスポイント(bp)、南アフリカのCDSは29bp、それぞれ縮小した。
HSBCの新興国外為ストラテジスト、ムラト・トプラク氏は、「将来的な金融政策の変更について、市場では見方を改める動きが広がっている」と指摘。新興国市場の上昇は「少なくとも数週間は続く」との見方を示した。
また、インド財務省の首席経済補佐官はロイターに対し、米FRBの政策により、インドの経済成長率は短期的に0.5%ポイント押し上げられるとの予想を示した。
ただ、トルコのシムシェキ財務相はロイターのインタビューで、米FRBの今回の決定による影響は一時的なものにとどまるとの見方を示した。
影響は欧州の新興国にも広がり、欧州新興国株式指数 は約5%上昇し、6カ月ぶり高値を付けた。またポーランドズロチ は対ユーロで4カ月ぶり高値、ハンガリーフォリント は2カ月ぶり高値を付けた。
ルネサンス・キャピタルのチャールズ・ロバートソン氏は「新興国の通貨と債券に絡んだキャリートレードが向こう数カ月は活性化する」としている。
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