貿易赤字14カ月連続、オイルショック後の過去最長と並ぶ
[東京 19日 ロイター] - 財務省が19日に発表した8月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は9603億円の赤字となった。赤字は14カ月連続で、赤字額は8月として過去最大を記録した。
輸出は海外経済の回復を背景に増加したが、燃料輸入の高止まりなどで貿易赤字となる構図が続いている。赤字連続の期間は、第2次オイルショックの1979年7月から80年8月までの14カ月連続の貿易赤字に並ぶ過去最長となった。
先行きについて財務省では「原発の稼働停止を背景にした鉱物性燃料輸入が輸入の3割を占め、輸入に影響を与えている。当分この傾向が続く」(財務省筋)とみており、貿易赤字の構図が解消する兆しはみえない。
<輸出は6カ月連続増、米国向け自動車がけん引>
輸出は前年比14.7%増の5兆7837億円、6カ月連続で増加。米国向け自動車輸出がけん引し、2010年8月(同15.5%増)以来の高い伸びを記録した。数量ベースでも同1.9%増と2カ月連続で増加した。
地域別では、米国向け輸出が前年比20.6%増と8カ月連続で増加した。伸び率は2012年5月(同38.7%増)以来の高さで、2013年4月以降、5カ月連続で2ケタ増が続いている。中国向け輸出は同15.8%増で5カ月連続で増加した。有機化合物(103.7%増)などが増加した一方、金属加工機械が51.7%減と大幅に減少した。低調だった欧州連合(EU)向け輸出も前年比18.0%増と3カ月連続で増加した。
品目別では自動車(21.0%増)、有機化合物(62.7%増)などが増加した。
為替レート(税関長公示レート平均)は1ドル98.44円で、対前年比25.4%の円安だった。
<輸入は10カ月連続増>
輸入は同16.0%増の6兆7440億円、10カ月連続で増加した。原粗油(27.2%増)や半導体等電子部品(44.1%増)などが増加に寄与した。
輸入原油単価は前年比30.3%上昇の6万6308円/キロリットルで、ドルベースでは同3.8%上昇の107.1ドル/バレルだった。
ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、予測中央値は1兆1008億円の赤字。輸出は前年比14.5%増、輸入は同18.5%増だった。
*内容を追加します。
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