8月貿易収支は14カ月連続赤字、過去最長に並ぶ-輸入の拡大続く (1)
9月19日(ブルームバーグ):8月の貿易収支 は14カ月連続の赤字となり、過去最長に並んだ。赤字額は事前予想を下回ったものの、8月としては比較可能な1979年以降で最大だった。自動車を中心に輸出額が6カ月連続増と回復基調を維持したものの、原油などの燃料需要増や円安を背景に輸入額の伸びが上回った。
財務省が19日発表した貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額は5兆7837億円と前年同月比15%増えた。一方、輸入額は同16%増の6兆7440億円と、10カ月連続で増加した。差し引きした貿易収支 (原数値)は9603億円の赤字となった。過去に14カ月連続の赤字となったのは、79年7月から80年8月まで。
ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査による予想中央値は、輸出額が前年同月比15%増、輸入額は同19%増。貿易収支は1兆1138億円の赤字だった。
SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは発表内容を受けて、輸出の伸びは「ほぼ市場予想並み」と指摘。先行きは「輸出増を主因に貿易赤字は縮小方向に向かいやすい」としながらも、原子力発電停止の影響で「燃料輸入の高止まりが当面続きやすく、輸出増で貿易赤字を解消するには時間が掛かろう」とみている。
輸出品目で増加したのは、自動車(前年同月比21%増)、有機化合物(63%増)、鉱物性燃料(43%増)など。輸入は原粗油(27%増)、半導体などの電子部品(44%増)、衣類など(21%増)が増えた。
地域別の輸出動向をみると、米国向けが自動車・同部品を中心に21%増と、8カ月連続の増加。対欧州連合(EU)は18%増と3カ月連続して拡大、自動車のほか鉱物性燃料が増えた。中国向けは有機化合物が大幅増で、16%増と5カ月連続の増加だった。
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更新日時: 2013/09/19 10:20 JST