米軍レーダー受け入れ 京都府知事・京丹後市長が表明
京都府京丹後市の航空自衛隊経ケ岬分屯基地に米軍がXバンドレーダーを配備し、新たな在日米軍基地を置く計画について、京都府の山田啓二知事は19日の府議会代表質問で「国に協力していく」と述べ、受け入れを正式に表明した。同市の中山泰市長もこの日受け入れ表明したため、地元と折衝してきた防衛省は配備に向けた動きを本格化させる。
レーダー配備をめぐっては、電磁波による健康被害や治安悪化などの課題が指摘されていた。府は4度にわたり防衛省に質問書を提出し、課題への対応策のほか、交番設置や道路改修などの財政負担を国に要請してきた。
防衛省は電磁波の調査や警備要員の増員など具体策を示し、今月10日に山田知事が小野寺五典防衛相と会談。小野寺防衛相は政府として地元要請に最大限応えていく考えを伝えた。
京丹後市の中山市長も19日午前の会見で、「住民の安全安心が確保されるという前提の上で、必要な協力を行うと判断した」と受け入れ表明した。
山田知事は条件が整ったと判断し、この日の答弁で「安全安心の確保と地元を代表する意見がそろったことを踏まえ、Xバンドレーダー配備について国に協力していきたいと考える」と述べた。
Xバンドレーダーは北朝鮮などの弾道ミサイルを探知・追尾する高性能レーダー。国内では青森県つがる市に配備されている。日米両政府は国内2カ所目の配備地として同分屯基地を選び、今年2月に府と同市に協力要請していた。
米軍は配備に伴い周辺に約5ヘクタールの基地を開設し、庁舎や発電施設を建設。米兵や民間技術者約160人を配置する。完成すれば近畿で唯一の在日米軍基地となる。
【 2013年09月19日 23時18分 】