「ウソをつくと次には更なる大ウソをつくこととなる」
五輪誘致最終プレゼンにて安倍晋三が世界に向けて発した「汚染水完全ブロック」なるウソが、その後ドンドン上塗りされ、今や世界中の失笑を買う”大ウソ”となっている様は、まさにその典型であろう。
本日(9/19)、安倍晋三が福島第1原発を視察し、再び、「汚染水の影響は湾内で完全にブロックされている」との”大ウソ”発言を繰り返した。
しかし、今回、首を傾(かし)げざるを得ないのが、大手マスコミが軒並み、安倍晋三が問題の1〜4号機ではなく「5・6号機の廃炉」について言及した点を殊更強調する報道姿勢に終始している点である。
即ち、これは完全に”問題のすり替え”であり、”目くらまし”のスケープゴートだということである。
以下2点目の毎日新聞記事にあるように、周辺住民の多くが安倍汚染水発言が大ウソであることは既に認識しており、「政治パフォーマンスはいいから、福1をきちんと収束させ、被災地復興を最優先せよ」と訴えているのである。
早い話、”問題のすり替え””スケープゴート”をするまでもなく、安倍晋三の下手な”政治パフォーマンス”などは既に見破られているのである。
ここで、今回、皆さんに一番認識していただきたいのは、以下3点目にある共同通信記事内容についてである。
同記事は、一見すると短文で何てことはない記事として読み飛ばしてしまいそうになるが、この中で気象研の青山道夫主任研究官が指摘している内容は”決定的”な内容である。
それは、安倍晋三が「湾内で完全にブロックされている」としている汚染水が、実は5・6号機を介して外洋にダダ漏れになっているという事実である。
何のことはない、一見すると”盲点”となっている5・6号機にて、湾内に溜まった高濃度汚染水を取水した後、外洋に放出しているということである。
即ち、汚染水が湾内〜外洋間に設けられている「シルトフェンス」にてブロックされているか否かという問題以前に、5・6号機を介して湾内から汚染水がダダ漏れにされているということである。
当事者たる東電がこの事実を知らないはずなどなく、これは完全に意図的に汚染水を外洋投棄する”確信犯”的行為と断じてよいであろう。
それにしても、原発北側の放水口から1日あたり600億ベクレルものセシウム137・ストロンチウム90を含む高濃度汚染水が外洋(原発港湾外)に放出されているというのであるから、改めて、”事の重大さ”を痛感する次第である。
このようなトンでもない海洋汚染を引き起こして尚、平然と「湾内で完全にブロックされている」とする発言は、”世迷い言”以外の何ものでもなく、この大ウソはやがて国際的な損害賠償問題に発展すると共に、国民の食卓に並ぶ汚染海産物による重大な健康被害を引き起こすことであろう。
実に馬鹿馬鹿しく、嘆かわしい話である。
(転載開始)
◆首相 福島第一原発5・6号機廃炉を要請
9月19日 19時6分 NHKニュース
安倍総理大臣は、東京電力福島第一原子力発電所を視察したあと、記者団に対し、運転を停止している5号機と6号機を廃炉にするよう東京電力側に要請し、廣瀬社長は年内に判断する考えを示したことを明らかにしました。
また、安倍総理大臣は、みずからが責任者として事故処理や汚染水問題に対応していく考えを強調しました。
この中で安倍総理大臣は、東京電力福島第一原子力発電所にある6基の原子炉のうち、事故当時は定期検査中で、現在も運転を停止している5号機と6号機について、「事故対処に集中するためにも、停止をしている5号機と6号機の廃炉を決定してもらいたいと要請した。これに対し東京電力の廣瀬社長からは、5号機、6号機の取り扱いの判断を年内にするということだった」と述べました。
また、安倍総理大臣は、廃炉に向けて安全対策に万全を期すため、現場の裁量で使用できる資金を確保すること、しっかりと期限を決めてタンクにためてある汚染水を浄化することも東京電力側に要請したことを明らかにしました。
これに対し東京電力の廣瀬社長は「資金はすでに引き当てている1兆円に加えて、さらに1兆円を確保していく。また来年度・2014年度中に汚染水の浄化を完了していく」と答えたということです。
さらに安倍総理大臣は、汚染水問題について、「福島近海においてモニタリングを行っており、その結果、IOC=国際オリンピック委員会の総会が開かれたアルゼンチン・ブエノスアイレスで話したように、汚染水の影響は、湾内の0.3平方キロメートルの範囲内で完全にブロックされている。いずれにせよ事故処理、汚染水処理は、国が前面に出て私が責任者として対応していく」と述べました。
〜後略〜
◆福島第1原発:「廃炉は当然」…安倍首相視察に被災者ら
毎日新聞 2013年09月19日 21時50分
「汚染水の影響は湾内で完全にブロックされている」。
東京電力福島第1原発を視察後、安倍晋三首相は国際オリンピック委員会(IOC)総会での発言を繰り返し、改めて安全性を強調した。
だが、多くの福島県民は「根拠がよく分からない」と疑問視。
全基廃炉を求めてきた佐藤雄平知事は5、6号機の廃炉要請について19日、「福島県の意見に沿ったもの」との見解を示し、県民からは「当然だ」との声が上がった。
○原発避難者
原発から5キロ以内に自宅があり、会津若松市の仮設住宅で暮らす大熊町の吉田善伊(よしい)さん(75)は「形だけの視察だ。それよりも、3年近く帰れるか、帰れないか分からないまま放置されている我々避難者の声を聞いてほしい」と話した。いわき市の仮設住宅で母親(82)と暮らす双葉町の黒木貴美子さん(55)は「東京五輪やリニアモーターカーの前にまず、仮設住宅の環境整備と災害公営住宅(復興住宅)を建設することが先決」と指摘した。
○漁師
26日に試験操業を再開する、いわき市漁協の矢吹正一組合長(76)は「国に風評被害対策などを求めてきたが、何も示されていない。自助努力で操業再開に踏み出さざるを得ない。『完全にブロックされている』というなら、我々にも直接、説明をすべきだ」と批判。江川章・副組合長(66)は「首相は福島の魚を食べて風評被害払拭(ふっしょく)に努めてほしい」と注文した。
○母親
福島市の子ども向け屋内遊び場「さんどパーク」に、長女(2)と次女(8カ月)を連れてきた同市蓬莱町の主婦(28)は5、6号機の廃炉要請について「また地震が来ると不安。一刻も早く実施してほしい」。同県双葉町から埼玉県加須市で長女(12)と避難生活を送る主婦(38)は「廃炉は当たり前。地震で施設は相当な規模がやられているだろうし、原発事故の避難者は、誰もが廃炉しかないと思っているはずだ」と語った。
【中尾卓英、乾達、蓬田正志、前田洋平】
◆外洋に1日600億ベクレル放出 福島原発、気象研の研究官報告
2013/09/18 23:16 共同通信
【ウィーン共同】東京電力福島第1原発の汚染水問題をめぐり、気象庁気象研究所の青山道夫主任研究官は18日、国際原子力機関(IAEA)の科学フォーラムで、原発北側の放水口から放射性物質のセシウム137とストロンチウム90が1日計約600億ベクレル、外洋(原発港湾外)に放出されていると報告した。
セシウム137の半減期は約30年、ストロンチウム90は約29年。原子炉建屋地下からいったん港湾内に染み出た後、炉心溶融を免れた5、6号機の取水口から取り込まれ、北側放水口から外洋に放出されている。
東電は「法定基準以下の濃度と確認して放水しており問題ない」としている。
(転載終了)