相手が極度に怒りを爆発させるような状況では理性的な妥協は不可能だ。これは泥酔した人を言葉で説得するのと同じように無意味だと、精神科の医師は話す。
怒りの発作状態の急性ストレス反応は、夜中に強盗に出会った人が見せる恐れおののく反応と似た状態だ。
呼吸が速くなり苦しそうに息が荒くなる。目からは極度の怒りが見え、拳を硬く握り締める。筋肉が硬直し生唾を飲み込む。相手がこのような様子を見せたら、怒りがつのるほどの状態ではないと思ってもそれ以上の言い争いをしてはいけない。そこで刺激的なことを言うのは、火に油を注ぐようなものだ。
怒りの発作状態で言い争いを続ければ、相手の怒りの感情は極端に高まる。すでにコントロールできるレベルを超えているとみて、ワンテンポ抑えるべきだ。説得は効果がない。可能な限り言い争いを避け、相手を落ち着かせなければならない。
万が一、怒りの爆発が頂点に達したと思われる場合は、いったんその場を離れたほうがよい。怒りの発作は通常、1時間以上は続かない。
江北サムスン病院の精神健康医学科、シン・ヨンチョル教授は「韓国人が怒りを爆発させる最もありがちなケースは、自分がばかにされたと感じたときだ。相手の言葉を押さえつけるように言い争いをすれば、衝動的な怒りの爆発を誘発する可能性があるため、注意すべきだ」と話した。
怒りが募り我慢できないという瞬間になったら、深呼吸し、怒りを一時的に落ち着かせるべきだ。深呼吸をゆっくりと何度か行うと、血圧が下がり、筋肉の緊張が解ける。怒りも少しの間穏やかになる。自分に怒りの制御障害がある場合や、そのような気質があると言われた場合は、瞑想(めいそう)や心身療法を通じて普段から怒りをコントロールする訓練を受けるべきだ。