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【家庭医が教える病気のはなし】(22)日常診療での利益相反
2013.9.17 07:34
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ディオバンを処方していた医師の中に自らを被害者であるかのように言う人がいましたが、そういう医師の多くは製薬会社が企画した講演会に参加し、いろいろ利益を得ているのです。
「ディオバンを自ら処方したことがない」と偉そうに書いている私ですが、私もまた利益相反の例外ではありません。なぜなら、ディオバンのライバルとなる製薬会社から何かもらっているかもしれません。そういえば、ディオバンを含むアンジオテンシン受容体拮抗(きっこう)薬(ARB)のライバルとなるACE阻害薬しか販売していない製薬会社から講演に呼ばれ、謝金をもらって講演したことを思いだしました。これも利益相反行為の一つでしょう。
実際に私はARBの何倍もACE阻害薬を処方します。ACE阻害薬に関して、ディオバンのような何かよからぬ情報が出れば、私は利益相反の問題を免れることはできないと思います。
医師が製薬会社と付き合う以上、利益相反の問題を避けて通ることはできません。そのため、「製薬会社の人とは一切付き合わない」という潔い医師も最近は増えています。私は今のところ、訪ねてくる製薬会社の人を拒んだり、頼まれた講演を断ることはしていませんが、そうしないといけない時代になってきたのかもしれません。(武蔵国分寺公園クリニック院長・名郷直樹)
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