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【政治】

危うい対策組織乱立 「コントロール」首相約束受け

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 東京電力福島第一原発事故の汚染水問題に対応するための組織を政府が最近、多数発足させた。「状況はコントロールされている」とする安倍晋三首相の発言が事実と異なり、既存の組織では問題の解決が難しいことを示している。似た組織が乱立することにより、責任の所在があいまいになり、いざという場合の指揮系統の混乱を招くという指摘も出ている。

 首相はブエノスアイレスで七日に開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会の東京五輪招致演説で、汚染水について「まったく問題はない」と明言した。

 しかし、高濃度汚染水が外洋に流出した可能性が新たに浮上するなど、問題解決の道筋はまったく見えていない。首相は帰国後の十日、五輪招致に関する閣僚会合で「私がブエノスアイレスで約束した汚染水の問題については政府一丸となって責任を果たしていきたい」と、態勢の再構築を指示せざえるを得なかった。

 政府は同日、汚染水問題の閣僚会議の初会合を開催。関係省庁の実務者による廃炉・汚染水対策チームを傘下につくった。

 原子力規制委員会は十三日、海洋モニタリングに関する検討会の初会合を開催。福島第一原発の現地には、原子力規制庁や東電、復興庁などによる現地調整会議や、各省庁の現場担当者らによる現地事務所も置かれた。

 だが、汚染水問題に関しては経済産業省や規制委員会などに、中長期的な対策や処理技術を検証する組織などが既にいくつも置かれている。

 十一日にあった内閣府原子力委員会の臨時会議では、消費生活アドバイザーの秋庭(あきば)悦子委員が「さまざまな会議体がつくられたが、とても心配だ。責任がどこにあるのか、組織ができればできるほど見えにくくなっている」と懸念を示した。 (関口克己)

 

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