柔軟剤:香りで体調不良、国民生活センターが啓発要請
毎日新聞 2013年09月19日 19時26分
洗濯に使われる柔軟剤の香りで体調不良を訴える人が増えている問題で、国民生活センターは19日、業界団体の日本石鹸(せっけん)洗剤工業会に対し、においが周囲に与える影響に配慮を促す注意表示や啓発活動を行うよう求めた。
同センターによると、2012年度に寄せられたにおいに関する相談件数は、健康に影響のないものも含めて65件と、前年度から倍増した。今年度も8月末までに38件の相談が寄せられており、前年の同時期より多い。窓を開けることの多い春から秋にかけて「隣家などからの柔軟剤のにおいで頭痛や吐き気が起きる」という相談が多いという。
一方、同工業会が10年に行ったアンケート調査によると、標準使用量の2倍以上の柔軟剤を使っている人が23%に上った。製品説明に「香りをもっと楽しみたい時は、好みに合わせて使用量を増やしてください」と書かれたものもあり、センターの担当者は「こうした表示はエチケットとしてどうかと思う」と話す。
同センターは「柔軟剤を使えば何らかの化学物質が出ている。自分にとっては快適なにおいでも、他人は不快に感じることもあることを認識してほしい」と、消費者にも注意を呼びかけている。【田村佳子】