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「沖出し」ルール策定始動 むつ市で群馬大教授が講演

津波発生の仕組みや漁船被害などについて理解を深めた講演会

 津波襲来時に漁船を沖合に避難させる「沖出し」のルールづくりが、青森県むつ市の関根浜で始まった。13日夜は片田敏孝群馬大理工学研究院教授(災害社会工学)が講演し、地元漁業関係者の主体的な取り組みの必要性を強調した。
 講演会には漁業者ら約50人が参加した。片田教授は沖出しの判断のポイントとして、「出すなら水深が深い海域まで短時間で到達できるかどうかだ。間に合わないなら最初から行かない決断も必要」と指摘。「命と船を守るために、漁業者自身が基準を決めるべきだ」と呼び掛けた。
 14日には漁業者らによる1回目の検討会が開かれ、漁業者が陸上にいた場合の基準策定に向けて、話し合いが行われた。海上で操業中に地震が発生した場合の基準は来年度の検討課題とする。
 沖出しは漁業者の経験や勘が頼りで、明確なルールはない。東日本大震災では、沖出しで津波被害を免れた漁船があった一方、避難中に漁船が転覆、漁業者が犠牲になったケースもあった。
 ルールづくりは、青森県の「津波災害に負けない漁港の減災プロジェクト」で進められる。本年度は安全に避難できる海域を示すマップを作成するほか、11月には漁船を使った想定避難海域までの実証実験も計画する。


2013年09月15日日曜日


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