喫煙シーン:映画や舞台の作り手側は苦慮
毎日新聞 2013年09月18日 10時56分(最終更新 09月18日 15時30分)
最近は、上演前に「たばこを吸うシーンがありますが、本物のたばこは使用していません」とアナウンスしたり、ロビーに掲示したりする光景も珍しくなくなった。演劇関係者からは「原作に喫煙シーンがあるのに、わざわざ削るようなことをすれば表現を自ら狭めることになる」と、懸念の声が上がる。
とはいえ、観客からのクレームを無視するわけにもいかない。「今後は劇場だけでなく、公演の告知段階で喫煙シーンがあることを知らせる必要があるかもしれません」。文学座企画事業部の友谷達之さんはそう話す。
ドラマをはじめとするテレビ番組でも、喫煙シーンは以前に比べ減少している。NHKは「放送ガイドライン」で未成年者の喫煙を肯定するような取り扱いをしないよう定めており、同広報局は「番組制作にあたっては喫煙を助長することのないよう配慮している」と説明する。
たばこは世につれ、世はたばこにつれ。愛煙家にとっては、エンターテインメントの世界も肩身の狭い時代になったことは間違いないようだ。