消費増税:自民税調、支持一色 来春8%「首相、早期決断を」
毎日新聞 2013年09月10日 東京朝刊
自民党税制調査会(野田毅会長)は9日、来年4月の消費増税を巡り、全議員対象の会合を党本部で開いた。2020年夏季五輪の東京開催決定や4〜6月期の国内総生産(GDP)の上方修正など好材料が続く中、予定通り8%への引き上げを求める意見一色となった。税調は増税そのものの議論は今回限りとし、臨時国会に向けて成長戦略の検討を加速する方針だ。【葛西大博、横田愛】
野田氏はあいさつで「わが党がどういう公約をし、選挙を戦い、今日に至ったか確認したい」と発言。「先送り」などの意見が出れば好材料を打ち消しかねず、増税は既定路線とくぎを刺した。
これに対し、出席者は「増税は3党合意で決めたこと。きちんとやるべきだ」「五輪開催が決まり、景気先折れの懸念はなくなった」など、いずれも予定通りの実施を求めた。首相と金融緩和策で歩調を合わせる山本幸三衆院議員も「デフレ脱却と消費税は関係ない。10月まで延ばさず早く決めるべきだ」と首相の早期の決断を求めた。
財政再建論者の多い党税調は当初、全議員対象の会合は開かない方針だったが、政府主導で議論が進むことへの党内の不満を解消しようと石破茂幹事長が指示し、急きょ開催が決まった。会合では景気を後押しするため法人税の実効税率引き下げを求める意見も出たが、税調幹部は終了後「秋には扱わない」と慎重姿勢を示した。
石破氏は9日、GDP改定値について党本部で記者団に「数字はうそをつかない。数字を基に首相が最終判断する。それに従うのは当たり前だ」と語った。野田氏は会合後に東京都内で講演し、「(消費増税の)流れを変更する理由はない」と述べ、首相の判断に期待感を示した。