中国海軍による火器管制レーダー照射を受けて、今週発売の週刊誌は「日中開戦」ネタが満載でした。
その中で、『週刊現代』にコメントを採用していただきました(他にいくつか取材受けましたが、面白いことがいえないので不採用)。
レーダー照射はたしかに状況によっては軍事衝突を引き起こし得る挑発行為ですが、日中に関して言えば、中国側も日本側が応戦しないのを承知でやっているわけで、そんなことではまず戦闘になりません。日中両国ほどの実力・存在感とその両国間関係があれば、開戦に至るにはかなり高いハードルがあります。ハラスメント合戦というのは今後も発生するでしょうが、要は駆け引き戦ということです、というような話をさせていただきました。
もちろん将来的な軍事的緊張というものを想定して国防システムを準備しなければならないのは当然ですが、それはそれとして、「脅威」というものを現実性から考えることも重要でないかなと思います。最悪の事態に備えることは必要ですが、起こりそうなことと、起こりづらいことを分けて考えるということです。
たとえば、まず起こらないだろうことは、私の考えでは以下になります。
▽日中全面戦争
▽日朝全面戦争
▽イスラム過激派が日本国内でテロ
次に起こりづらいことは以下です。
▽日中が尖閣周辺限定で本格的戦闘
▽北朝鮮が正規の軍事作戦として日本を攻撃
▽イスラム過激派が在外日本大使館をテロ
起こらない可能性が高いけれども、起こるかもしれないことは以下です。
▽中国軍が尖閣進出
▽近い将来の朝鮮半島有事
▽近い将来の金正恩政権崩壊
起こる可能性がそこそこあるもの
▽尖閣海域でのちょっとした衝突
▽将来的な金正恩政権崩壊
まず起こるだろうこと
▽中国の尖閣海域侵入常態化(日本の実効支配の崩壊)
▽北朝鮮の核ミサイル戦力増強
▽海外で日本人がイスラム・テロに巻き込まれる
ざっとこんな感じでしょうか。
こうしたことを勘案すると、まず喫緊の課題は、中国の尖閣侵入キャンペーンへの備え。それも有事ではなく平時でのカウンター策をもう今すぐ取り組むべきと思います。
それと、軍事的脅威でもっとも恐ろしいのは、「将来的な金正恩政権崩壊」に付随する核ノドンの脅威です。他をいったんうっちゃっても、ミサイル防衛の強化は必要だという気がしますね。
まあ、こうした脅威の評価は人それぞれで、異論のある方は当然いらっしゃると思いますが、上記は現時点での私の評価ということです。
ところで、日中開戦シミュレーションの記事をみていつも思うのですが、どうして中国側のサイバー戦をスルーするのでしょうか。リアルに警戒すべきもののひとつだと思うのですが。
- 2013/02/16(土) 13:11:27|
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中国側のサイバー戦は「まず起こるだろうこと」のさらに先(手前)の「すでに起こっていること」ですよね。
「あまり起きそうにないけどネタ的に面白そうな物」が優先されて、「地味だけどすでに発生していること」の扱いが低いのは、仕方ないかもしれないけど、気になります。
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- 2013/02/16(土) 13:34:04 |
- うそこばん #mQop/nM.
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仰るとおりです。それでも何とかメディア内部での軌道修正を微力ながら試みていますが、私ごときの泡沫ライターではなかなか難しいです。ネタとして扱っていただければいいと思うのですが、たまに政権与党中枢にネタ人脈が入り込んで変な影響を及ぼすことがあるようで、それは少々困ったものだと・・・
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- 2013/02/16(土) 20:27:27 |
- 黒井文太郎 #-
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もし自分が日本に敵対する国の人間なら、日本の原発関連の情報システムに攻撃したいと考えます(もうしてるかな?)。
できる事なら、テロ“未遂”も。
さらにできるなら、日本人を使って。
反原発を煽ってやれば、かなりのダメージを与えれる気がするのですが。。。
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- 2013/02/21(木) 13:07:56 |
- 嫌大衆 #-
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えっ。げ、原発テロって、嫌大衆さんも「偽装捜査員」の一味じゃ(笑)。
もしも参考資料とか個人ファイルとか作られると五十年は消えないって話だけど。
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- 2013/09/19(木) 02:39:09 |
- 道楽(どら)Q #-
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