【ニューヨーク=中井大助】ニューヨークの五番街にあるオフィスビルの賃料がイラン政府に送金されていたとして、ニューヨークの連邦裁判所が、米政府によるビル全体の差し押さえを認める決定をした。ビルは全米屈指の高級ショッピング街にあり、米メディアによると資産価値が5億〜7億ドル(約496億〜694億円)に上るとみられる。
17日に発表をしたニューヨークの連邦検事によると、ビルは1970年代にイラン国王(当時)の関連基金によって建設された。基金は79年のイラン・イスラム革命後に名前を変えながら、イラン政府の指揮のもとで活動を続け、ビルの賃料をイランの政府銀行に送っていたという。イランをテロ支援国家に指定している米国は、この状況が制裁違反にあたるなどとして、2008年に提訴していた。決定が確定すれば、米国内のテロ関連の差し押さえとしては過去最大級になるという。
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞国際報道部