バレンティン５８号＆決勝打　３冠みえた！ブラに打点３差

　ヤクルトが４連勝。０−３の４回に飯原のソロなどで２点を返し、５回にバレンティンの５８号ソロと続くユウイチのソロで４−３とした。６回に追い付かれたが直後の７回にバレンティンの左前打で勝ち越した。ＤｅＮＡは三嶋が誤算。

　ライナーで伸びた打球が、そのまま失速することなくスタンドに飛び込んだ。ヤクルトのバレンティンが自身の持つプロ野球シーズン最多本塁打記録をあっさり更新した。２−３の５回２死無走者、三嶋の速球を左中間席へ運んだ。

　「前の打席でストレートに振り遅れて三振したので、頭にあった。反省点を修正して、コンパクトなスイングで対応することができた」。バレンティンは声を弾ませた。

　打率と本塁打でリーグトップを走る男は、７回には左前適時打で決勝点をたたき出し、３安打２打点。今季の打点を１２２とし、トップを走るＤｅＮＡ・ブランコに３打点差と迫った。「打点だけを考えてない。集中するだけ。チームの勝ちに貢献できたのがうれしい」と言うが、セ・リーグでは１９８６年のバース（阪神）以来となる三冠王も現実味を帯びてきた。

　この日もオランダ・アムステルダムから来日中の母アストリットさん（６４）が横浜スタジアムで観戦した。日本記録達成の翌１６日には、渋谷に一緒に買い物に出かけ、ネックレス、指輪、（足につける）アンクレットをプレゼントした。

　「とっても気に入っているわよ。いい息子だわ」とアストリットさん。買い物の後は、六本木でディナー。焼きフグを堪能し新記録をお祝いした。バレンティンが帰りの車に乗り込むと誇らしげな笑顔を見せた。本塁打記録を４９年ぶりに塗り替えた自慢の息子との、新たなお祝いの日も近いかもしれない。　（後藤慎一）