Updated: Tokyo  2013/09/19 08:25  |  New York  2013/09/18 19:25  |  London  2013/09/19 00:25
 

9月18日の米国マーケットサマリー:株最高値、ドルと利回り下げる

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  9月18日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)


為替         スポット価格 前営業日
ユーロ/ドル        1.3514   1.3359
ドル/円             98.07    99.13
ユーロ/円          132.53   132.42


株                 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率
ダウ工業株30種       15,676.90     +147.21    +.9%
S&P500種           1,725.52     +20.76    +1.2%
ナスダック総合指数    3,783.64     +37.94    +1.0%


債券          直近利回り 前営業日比
米国債2年物      .33%        -.04
米国債10年物     2.70%       -.15
米国債30年物     3.76%       -.08


商品 (中心限月)                     終値   前営業日比 変化率
COMEX金     (ドル/オンス)  1,307.60    -1.80     -.14%
原油先物         (ドル/バレル)  108.18     +2.76    +2.62%

◎NY外為市場

18日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが約7カ月ぶり安値に下げた。市場の予想に反して米連邦公開市場委員会(FOMC)は緩和策の縮小を見送り、月間850億ドルの資産購入を継続すると発表したことが手掛かりとなった。

ドルは主要16通貨の中でもブラジル・レアルなどに対して最も大きく下げた。FOMCは会合後に発表した声明で「委員会は資産購入ペースの調整を行う前に、情勢の改善が持続的なものになるというさらなる根拠を待つことを決めた」と述べ、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0%から0.25%のレンジで据え置いた。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想によると、米国債 の購入額が50億ドル引き下げられるとみられていた。

英ポンドは対ドルで上昇。イングランド銀行(英中央銀行)が今月の金融政策委員会(MPC)で、金融政策の現状維持を全会一致で決め、景気見通しの改善に伴い、一段の刺激策は必要ないとメンバー全員が判断したことが材料となった。

BNPパリバの通貨ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「縮小が見送られ、目安とする失業率も調整されなかったことがドルを押し下げる材料となっている」と述べ、「考え得る限りにおいて最もハト派的な結果の一つだった」と続けた。

ニューヨーク時間午後3時43分現在、ブルームバーグ米ドル指数 は1.1%下げて1008.49。ドルは対ユーロで1%安の1ユーロ=1.3498ドル。2月6日以来の安値だった。対円では1%下げて1ドル=98円17銭。

◎米国株式市場

米株式相場は続伸。連邦公開市場委員会(FOMC)が大方の予想に反して資産購入規模を据え置いたことから、S&P500種 株価指数は過去最高値を更新。5年前の緩和開始以降、相場は155%上昇している。

高配当銘柄が選好され、S&P500種の業種別10指数のうちでは公益事業が特に高い。ニューモント・マイニングとバリック・ゴールドなど、資源株も買いを集めた。住宅建設株指数も7月以来の水準に上昇。輸送のフェデックスも高い。四半期決算の利益が予想を上回った。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値で、S&P500種株価指数は前日比20.76ポイント(1.2%)高の1725.52。8月2日に記録したこれまでの過去最高値1709.67を上回った。ダウ工業株30種平均は147.21ドル(1%)高の15676.94ドル。これも過去最高値で終えた。

ウェルズ・ファーゴ・プライベート・バンクのエリック・デービッドソン副最高投資責任者(CIO)は「誰もがやや度肝を抜かれた」と指摘。「このような水準で株式を保有できるのは素晴らしいことだ。しばらくはマネーが出回るなら、おのずとバリュエーションが高まる」と述べた。

◎米国債市場

米国債相場は約2年ぶりの大幅高となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が市場の予想外に債券購入 ペースの現状維持を決めたことが背景。

FOMC会合後に発表された声明では、「委員会は資産購入ペースの調整を行う前に、情勢の改善が持続的なものになるというさらなる根拠を待つことを決めた」と記された。また参加者の大半は政策金利 の最初の引き上げは2015年になると予想した。

ビアンコ・リサーチのジム・ビアンコ社長は電話取材で、「市場は大きな間違いを犯した」とし、「金融当局の沈黙は緩和縮小への賛成だとウォール街は誤解した。当局が沈黙していたのは政策当局者の間でコンセンサスを欠いていたためだ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後3時24分現在、10年債利回り は前日比16ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.69%。一時18bp低下と、日中ベースでは2011年10月以降で最大の下げとなった。同年債(表面利率2.5%、2023年8月償還)価格は1 12/32上げて98 12/32。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金相場は8週間ぶり大幅上昇。米連邦公開市場委員会(FOMC)が債券購入の縮小を市場予想に反して見送ったことを受けて、買いが優勢になった。

FOMCは会合後の声明で、資産購入のペースを調整するには景気回復のさらなる証拠が必要だとの見解を示した。これより先には、FOMCが緩和縮小に着手するとの観測を背景に金直物はほぼ6週間ぶりの安値をつけていた。

ペンション・パートナーズのチーフ投資ストラテジスト、マイケル・ゲイド氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「今回の決定は相場の流れを変えるものだ。緩和縮小をめぐる不安を背景に流出していたマネーの一部が戻ってくるだろう」と指摘。「強気なセンチメントが回復している」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時34分現在、金直物相場は2.3%高の1オンス=1341.03ドルと、7月22日以来の大幅上昇。一時は1.4%安の1292.02ドルをつける場面もあった。

◎NY原油先物

ニューヨーク原油先物相場は3週間ぶりの大幅高。連邦公開市場委員会(FOMC)が資産購入プログラムを現状規模で維持したことから、一段高となった。

FOMCは住宅ローン担保証券(MBS)と米国債の購入規模を月額850億ドルで据え置いた。米国の原油在庫が2012年3月以来の水準に減少し、特にオクラホマ州クッシングの在庫が11週連続で取り崩されたことから、原油先物はFOMC発表前から堅調に推移していた。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「FOMCの決定は商品価格を押し上げるだろう」と指摘。「市場は国債購入規模の大幅縮小を織り込んでいた。今後、さらなる資金が原油などの市場に流入し、価格を押し上げる」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前日比2.65ドル(2.51%)高の1バレル=108.07ドルで終了。年初からは18%の値上がり。

更新日時: 2013/09/19 06:09 JST

 
 
 
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