債券は続伸、20年債入札通過後に買い優勢-長期金利は半月ぶり低水準
9月18日(ブルームバーグ):債券相場は続伸。きょう実施の20年債入札はやや低調だったものの、投資家の潜在需要の強さを背景に買い優勢の展開に転じた。長期金利は約半月ぶりの低水準まで達した。
東京先物市場で中心限月の12月物は前日比横ばいの143円65銭で始まった。その後は、国内株高 や20年債入札で最低落札価格が予想を下回ったことを受けて10銭安の143円55銭まで下落した。しかし、次第に買いが優勢となり、引けにかけて143円75銭まで上昇。結局は6銭高の143円71銭で引けた。
現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の330回債利回りは横ばいの0.715%で開始。しばらく0.715-0.72%で推移したが、午後2時すぎに水準を切り下げ、0.705%と8月30日以来の低水準を付けた。20年物の145回債利回りは0.5bp低い1.64%に低下した。
パインブリッジ・インベストメンツの松川忠債券運用部長は、20年債入札はいまひとつだったものの、9月決算期末に向けて、債券需要は旺盛だと指摘。「国債償還を控えて投資資金は潤沢。大手銀などは期初に債券残高を大幅に圧縮したが、収益確保のため下期にかけて買いニーズは強そう。日銀の国債買い入れオペ期待もある」と語った。
財務省がこの日実施した表面利率1.7%の20年国債(146回債、9月発行)の入札結果によると、最低落札価格は100円50銭と市場予想を5銭下回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)は10銭と前回の6銭から拡大。投資家需要の強さを示す応札倍率は3.21倍と前回の3.39倍を下回った。
20年債入札結果は弱めパインブリッジの松川氏は、20年債入札について、テールが拡大するなど弱めの結果と分析し、「一部の証券会社が応札を控えた公算がある」と述べた。一方、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美シニア債券ストラテジストは「あまり強い入札結果になると想定していなかったので、ヘッジ売りは出たものの、大きく崩れる状況でもない」と話した。
きょう入札された20年物の146回債利回りは1.66%で開始後、買いが入って1.65%に低下。午後3時47分現在、1.65%で取引されている。
ブルームバーグ予測調査によると、今晩結果が発表されるFOMCでは月額450億ドルの米国債購入を50億ドル減額して400億ドルにする見通し。6日にまとめた前回調査では米国債の購入を100億ドル減額するとみられていた。
三菱UFJモルガン・スタンレーの六車氏は、FOMCについて、「量的緩和縮小になっても小幅にとどまるとの見方が強い」とし、株価は上値を試す展開となっていると述べた。
国内株式相場は大幅反発。TOPIX は前日比1%高の1193.07で引けた。米国の量的緩和縮小をめぐる過度な懸念後退で投資家のリスク資産選好の動きが広がった。
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更新日時: 2013/09/18 15:51 JST