専門家ゲスト:足立洋子さん(苫小牧友の会)
ゲスト:山口もえさん、内藤剛志さん(俳優)
リポーター:近藤泰郎アナウンサー
生活術の達人・スーパー主婦の知恵と力を借りて、暮らしのお困りごとを解決するシリーズ。
忙しい主婦にとって、大きな負担となってのしかかるのが毎日の食事の支度。
時短を目指してまとめ作りするのもしんどいし、かといってパパッと作れてもおいしくなければ本末転倒。簡単でおいしくて家族も喜ぶ方法はないか・・・という主婦のお悩みにお応えして、スーパー主婦が時短ごはんの極意をお伝えしました。
スーパー主婦:足立洋子さん(苫小牧友の会)
足立さんは、本来料理は「簡単、シンプルなものほどおいしい」と言います。
ただし、「簡単」と「雑」は違って、簡単でおいしいものを作るには、ひとつだけ丁寧にこだわらないといけないと言います。
20分で3品作ったメニューで、その例を見せてもらいました。
ひき肉は、フライパンにかたまりごと落とし、かき混ぜないで放置します。
ステーキを焼くように片面に火が通ったら、フライ返しでひっくり返します。
両面に火が通ったら、初めてほぐしていきます。
肉のうまみを閉じ込めるので、ひき肉のおいしさがグンとアップします。
こうすることで、ほかの部分で手を抜いても、おいしい料理になるのです。
小松菜やほうれんそうなどの青菜は、根元が一番おいしいので、底を切って捨てずに残すのがポイント。その際、根元は根の先端だけそぎ落とし、十字に切り込みを入れて、火のとおりが均一になるようにしておくとおいしく炒めることができます。
また、この処理をしたあと水につけて洗えば、泥を取り除くのに楽だという利点もあります。
よく、カレーは一晩寝かせたものがおいしいと言われますが、このカレーはできたてがおいしい。
15分で作れる簡単カレーです。
深めのフライパンで作るのが楽に手早くできてお勧めです。
【材料・4人分】
・きのこ(しいたけ、しめじ、マッシュルームなど好みで)・・・500グラム
・たまねぎ・・・2コ
・合いひき肉・・・200グラム
・サラダ油・・・大さじ1
・チャツネ(あれば)・・・大さじ1~2
・カレールー・・・5~6食分(市販のルー2~3種類を組み合わせる)
・水・・・表示量より50~100ミリリットル少なめに
【作り方】
小松菜の味が生きて、青菜と海草が一度に摂れてお勧めのおいしいメニューです。
【材料・4人分】
・小松菜・・・1束
・乾燥わかめ・・・5グラム(塩わかめなら20~30グラム)
・サラダ油・・・大さじ1
・だしじょうゆ・・・大さじ2
【作り方】
複雑な味に挑戦すると失敗しがち。まずは、シンプルで基本の「ゆでるだけ」を考えて、そこから自分なりの工夫を加えていくと失敗もなく、展開も広がります。
ゆでるときの極意は、塩と酒を加えること。普通の鍋(2リットルくらいまで)なら、塩ひとつまみ(小さじ5分の1)と酒大さじ1です。魚介類や野菜にお勧めです(野菜でもほうれんそうや春菊などの、アクを抜く必要のある物は除外)。
(1)塩昆布
ゆでたキャベツに絡めるだけでおいしい一品になります。
さっとゆでたピーマンにからめた「ピーマンの塩昆布あえ」は、ピーマン嫌いの子どももこれなら好きになるという足立さんのお勧めの一品。
(2)しそのふりかけ
塩昆布とはまた違った味わいになります。ゆでたキャベツ・白菜などによく合います。
(3)鶏ガラスープ
鶏ガラスープのかりゅうを水カップ1に対して小さじ1の割合で加え、そのスープでゆでます。
キャベツの千切りを加えてキャベツスープ。これだけでもおいしいのですが、そこからウインナーなりコーンなりと、自分なりの工夫を重ねていけます。
「小松菜と豆腐のスープ」は、鶏ガラスープで小松菜をさっとゆで、木綿豆腐をそぎ切りにして加えただけ。最後にごま油を垂らして出来上がりです。
マヨネーズに1品加えて混ぜるだけで、おいしいソースになります。
足立さんお勧めの7品。
(1)海苔の佃煮
(2)キムチのもと
(3)ごま油
(4)いかの塩辛
(5)バジルソース
(6)みそ
(7)トマトケチャップ
足立さんは、常備菜ほど完成した味にせず、何かを加えることでいろいろ展開したおかずになる、素材に一手間加えた“ベース菜”の活用をお勧めしています。
たまねぎ(2コ)を薄くスライスして、フレンチドレッシング(酢・・・カップ2分の1、サラダ油・・・カップ1、塩・・・大さじ1、こしょう・・・少々)に漬けておくだけ。さまざまに使えます。
【材料・2人分】
・さんま・・・2匹(3枚におろしたもの)
・たまねぎのドレッシング漬け・・・大さじ4
・パプリカ(赤、黄)・・・各4分の1コ
・ピーマン・・・1コ
・にんじん・・・少々
・パセリ・・・少々
【作り方】
【材料・つくりやすい量】
・ひじき(乾燥したもの)・・・20グラム
・酢・・・大さじ2弱
・サラダ油・・・カップ4分の1
・塩・・・小さじ1弱
・こしょう、しょうゆ・・・少々
【作り方】
ひじきは水で戻してさっと湯がき、保存容器に入れ、ドレッシング(酢、サラダ油、塩、こしょう、しょうゆを瓶などに入れて振って混ぜる)を加えておきます。30分後から使えます。
【展開例】
(1)たまねぎとひじきのサラダ
水にさらしたたまねぎ(あるいはたまねぎのドレッシング漬け)とあえて、かつお節とかいわれ大根を上に載せる。
(2)じゃがいもとひじきのサラダ
細切りにしてゆでたじゃがいも・かにかまぼこと混ぜ合わせ、マヨネーズにごま油を加えたソースでよくあえる。
【材料】
・だいこん・・・100グラム
・塩・・・1グラム(小さじ5分の1)
だいこんに塩を振ってよくまぜ、水を出す。そのまま容器に入れて保存。
ポテトサラダ、ホタテやツナとマヨネーズであえる、梅肉とあえるなど、こうしておくことですぐに使えておいしい料理になります。
【材料・8食分】
・鶏ひき肉(細かくした鶏もも肉でも)・・・600グラム
・たまねぎ・・・2コ
・マッシュルーム(スライス)・・・2缶
・バター・・・40グラム
・サラダ油・・・大さじ2弱
・パプリカパウダー・・・大さじ4
・ケチャップ・・・大さじ4
・コンソメ(かりゅう)・・・小さじ4
・塩・・・小さじ2
・こしょう・・・少々
【作り方】
※1食分150グラムずつポリ袋に分けて冷凍保存しておくのがお勧めです。
野菜を甘酢で漬けただけ。カラフルなピクルスです。それだけでサラダ代わりに食べてもいいし、お弁当や食卓で、不足している色だけをピックアップして足すと、食卓がおいしそうに華やぐ便利なおかずです。
【材料】
・たまねぎ
・かぶ
・きゅうり
・パプリカ(赤、黄)
・にんじん
・しめじ…たまねぎとかぶをメインに合計500グラム
・甘酢…大さじ5(甘酢は、酢カップ1に砂糖大さじ5、塩大さじ1を加えて混ぜて作っておく)
・粒こしょう…お好みで適宜
【作り方】
「ごはんの友セット」「チーズ」「朝食セット」「ジャムセット」など、同じ目的のために選んで使うようなものは、同じ箱やトレーにまとめて、冷蔵庫の中で選ぶのでなく、全部一度に出して、選ぶようにすると効率がよくなります。井上さんは、子どもが選んで食べるチーズをまとめていますが、その際、たまにしか使わない大きめの保存容器を有効利用しています。また、昆布のつくだ煮などは、袋のまま保存すると取り出しにくいので、ふだん出番のないびんに移し替えて、ラベルを貼って分かるようにしています。
たまりがちな保冷剤は、小さな冷凍室の底に敷き詰めて保存。凍るとき平らになって使いやすくなります。分量はその底面積の分だけと決め、それ以上増やさないようにしています。
冷凍庫の中には何が入っているか見分けにくく、また、入れても忘れてしまうことが多いもの。そこで、冷蔵庫のドアの上部に、ホワイトボードを貼って、そこに入れた物を書き込んでおきます。その際、「生の素材」「半調理」「調理済み(そのまま食べられる)」と欄を分けておくと、献立を立てやすくて便利です。
足立さんは、冷蔵庫は収納場所ではなく、自分がどう暮らしたいかを実現する助けになる機能的な箱だといいます。お勧めは、一番出し入れしやすい一段を、「安心・スタンバイコーナー」として確保すること。ここには、今日食べるものを入れます。
例えば朝、今日料理しようと決めた食材、魚とか、肉とか、使うベース菜やおかずをここに移します。
そう設定しておけば、その日のメニューをシミュレーションすることになるので、直前になって悩まなくてすみ、段取り上手になります。
足立さんによれば、料理は頭で考えることが7割、実際の作業は3割。この冷蔵庫は、それを上手に出来るようにしてくれます。そして、時間に追われる生活から、時間を追いかける生活に変わっていくといいます。
雑誌『婦人之友』の読者の集まり。「全国友の会」には80年の歴史があり、およそ2万人の会員がよりよく暮らし、社会に貢献することを目指して、調査・研究・実践活動を行っています。日本各地に支部があり、足立洋子さんは北海道の「苫小牧友の会」の所属です。
「全国友の会」
電話:03-3971-9359 (火曜日、金曜日の午前10時~午後4時)
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