創価大学学生寮、ましん大流行。4月18日から前代未聞の全学休学。
4月20日の朝日新聞、毎日新聞等が伝えるところによると、創価大学の学生、教職員にはしかの集団感染が起こり53名もの患者を出したため、4月18日より5月8日まで創価大学全学部、創価女子短大のすべてを休学にすると発表したと伝えた。
うち、43名が学生寮の学生であるということであるから、学生寮にはしかがまん延して、とんでもない異常事態ということであろう。ここまで拡大してしまったのを放置してきた大学の責任が重く問われる。
ここ数年、先進国中でたった一国はしか流行大国であった日本も、MR(Measles-Rubella)ワクチン:はしかー風疹混合ワクチンの1歳からの早期開始で、ようやく全国的にほとんど患者が消失状態となりつつあった。しかし、これには罠がある。ワクチンが、以前のように集団接種ではない個別接種となってしまった現在、ワクチン投与もれの児童がすくなからずいるのは間違いないし、年長児については、ここのところ流行がほとんどなかったため、免疫力が低下しているのもまず間違いないであろうから、いったん大きな流行がはじまると、そうとう酷くなるのはありうることである。
このあたりから考えると、報道で出回っている情報では「創価大学でのはしか患者は比較的軽少のもよう」、などの情報は、ちょっとおかしいような気がする。というのは、医療関係者の間では、成人(ことに高校生から大学生くらいの年齢)のはしか患者の症状は、子供の患者の症状よりも相当深刻なことがよくある、というのがたいていの常識であり、創価大学が、恥じも外聞もなく大学を休講したところをみると、感染者のなかには相当の重症者がいたことは疑いないであろう。
はしか、すなわち麻疹、あるいはmeaslesは、潜伏期が10日から14日ちかくもある。感染したかどうかインフルエンザみたいにはすぐには分からない。
空気による経気道感染を起こし、感染力が強いから、免疫が弱いかできていない場合、ほぼ確実に感染が起こる。二峰性の発熱と言って、最初に熱が出た後、1〜2日後ちょっと熱が下がるのであるが、これは良くなったのではなく、 その後さらに高い発熱が始まり、40℃前後の高熱が起こって全身に紫色の発疹が一斉に生じる。発熱は、順調に快方に向かうとしても1週間ちかく出る。発症してからの罹患期間はほぼ2週間。先進国での死亡率は0.1%。高いか低いかは、鳥インフルエンザなどと比べると、一目瞭然だが、決して油断はできない。栄養状態の良くない開発途上国では死亡率10%にもおよぶ、決してあなどれない病気であるからである。ことに、インスタントラーメンばかり食べている大学生は、危ないですな。あまり知られていないが、毎年、子供の罹患者での死亡例が出ていることを決して忘れてはならないからである。
熱がでて、発疹がなく、罹ったかどうかよくわからないときでも、口腔内にコプリック班といって白い小さな斑点がでる。これは医療関係者でないと分かりにくいので、もし自分が怪しいと思われる方は、はやめに病院を受診されるべきであろう。
また、はしかに罹患すると、免疫力が低下して細菌の二次感染を起こしやすいので、肺炎を起こしやすい。開発途上国の死亡例の大半は二次感染による死者である。抗生物質の投与を受けるのが望ましい。
さらに、ビタミンAの処方を出してくれる病院は良心的な病院である。というのも、麻疹の罹患によって全身のビタミンAの破壊が進み、補充が十分なされないと視力障害を起こすことが経験的に知られている。
現在、国立感染症センターの4月25日までの集計によると、今年1月からの患者総数は154名。うち、東京都が95名、大阪府7名、長野県7名、埼玉5名、千葉11名、神奈川5名と、大半が東京都での発生だから、感染者の大部分が創価大学の学生ということになる。
創価大学でも、さらに感染が拡大するのは疑いもないであろう。何も知らない寮の学生たちが、全学に麻疹ウイルスをばらまいた可能性大であるからである。
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