スクープ この国はいつもこんな感じなんです 痴漢で「検挙」された警視庁の元スゴ腕刑事 知ってて報じなかった新聞・テレビって

2013年07月29日(月) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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 なぜ、報じないのか。不公平ではないのか。朝日、読売、毎日、産経の各新聞と、NHK、民法キー4局に質問すると、各社判で押したように、

「個別の取材内容については答えられない」

 と同じ回答だった。読売新聞にいたっては、「質問の趣旨が不明であり、お答えしようがありません」と答えている。

 唯一、朝日新聞だけがこう回答した。

「貴誌からご質問をいただくまで、(痴漢と特別扱いの)事実は把握していませんでした。現在、お尋ねの事件の事実関係を取材しており、確認できれば報じます」

 ある全国紙警視庁担当記者が、記者クラブの内実を明かす。

「週刊現代が取材に動いたことで、『週刊誌なんかに抜かれる前に、書いたほうがいいんじゃないか』と言ってるデスクもいましたが、たぶん、ウチは警察発表があるまで書かないです」

 一方の警視庁。

「高島平署は本音では、捜査を引き延ばし、高田と被害者との示談が成立するのを待って、事件自体をうやむやにしたかった。でも週刊現代に記事が掲載されることがわかり、『書類送検せざるをえない』という判断になりました。8月中に送検する予定です。送検したら、記者クラブがそれを報じるでしょう」(前出の警視庁関係者)

 身内の犯行なので、事件をうやむやにしたい警察。警察の都合の悪いことは報じたくない新聞・テレビ。この国は、いつでもこんな感じなのである。

(文中敬称略)

「週刊現代」2013年8月10日号より

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